『97 古城36』
『97 古城36』
「ロメーロ、アスカ、我々の目的は達成したので、王都に帰りたいと思う。ロメーロ達は?」
アスティが王都に帰るかを聞いてくると俺はこの古城には用事はないとして、では他に用事があるかと言うとないのだ。
フリー冒険者であるから、本来ならギルドで依頼を受けて生活費を稼ぐ必要があるが、俺はグールマスターなどの報酬で金はあるから、差し迫った生活苦はなくて、自由である。
俺の考えよりもアスカはどう思っているのかなと、
「アスカはどうしたい?」
「私は王都に帰るのがいいと思うわ。きっと歓迎されるでしょうし、一番の活躍した英雄がいないてのは変よ」
「英雄てのは言い過ぎだろう」
「英雄じゃないなら、そうね、軍神とか、闘神とかは」
「もっとヤバいだろう」
俺の存在は極めて特殊で卓越しているのは自分でも自覚はあるが、闘神てのは行き過ぎだ。
まあ、ガブレラ神とすでに会っていて、魔物を討伐するのは頼まれているから、神の代行にも近いものがあるにはあるが。
「それではロメーロとアスカも俺たちと王都に帰るとなるのだな」
「そうする」
「ロメーロ様。来たときは覚えてますか、ロメーロ様の瞬間移動で来たのですけど、だから馬車とかないですよ」
「そうだったな、瞬間移動してきたのはアスカに言われて思い出した」
イフリートスとか色々とあったから、忘れていて、アスカに言われたら思い出した。
富豪スキルの瞬間移動できたのだった。
来るときは緊急時で大急ぎだった。
帰りは大急ぎというわけではないが、馬車で帰るのは面倒だった。
時間もかかるし、スキルを使うのがいい選択だと思う。
「ええっ、忘れてたの?」
「アスティ、冒険者100人と王国騎士団500人を集めてくれ。俺のスキルで王都に行く」
「まさか、あの瞬間移動か!」
「その方が早い」
「わかった、みんなを一箇所に集める」
アスティにお願いして全員を集めてもらうのは、その方が瞬間移動しやすいからで、バラバラだと移動できない人もいるからだ。
そこら辺のことは俺にもわかっていないけど、いつかは把握しておくのもいいかな。
どれだけの人数を移動できるのか、どこまでの距離を移動できるかとか、知っておきたいのもあった。
ただ600人もの人を瞬間移動させるのは膨大な力が必要なのは、来るときに経験済みだ。
立っていられないくらいになってしまうけども、別に王都に行って戦うわけではないから、心配はない。




