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『94話 古城33』

『94話 古城33』



「そうだろうな、グールマスターとオークジェネラル、オークキングの魔石でも、高額だったからな。イフリートスは、それと同じとなるのだろう。全部冒険者で分けていい」


 俺が魔石の報酬を放棄すると言った。

 一瞬だが、アスティは固まっている。

 あれ、俺が言ったのはマズかったか。

 あまりにもアスティが驚いていたけど、アスティに渡すとしたら、


「いやいや、だから、そんな簡単に分けられる金額じゃないと言ってるのだ。普通に要らないとかいう金額じゃないのだよ!」


「それでもいいよ、あげるよ。なんなら、このオークキングの素材をつけてやるよ、ほれっ」


 イフリートスとの戦いのあと見せたオークキングの素材をアスティに渡してみたところ、


「ああああああああああああ、オークキングの素材とか、簡単に投げる奴がいるか!」


「別に割れたりしないだろ」


「そういう問題か!」


 すげえ驚いている。

 アスティが喜ぶと思ってしたのだが。

 冒険者パーティーは多額の資金がいると聞く。

 パーティーメンバーに報酬を支払うし、一度依頼クエストをすると持って行く食料品だけでも資金はかかる。

 ダンジョンの戦いではダンジョンに滞在もある。

 馬車での移動でも運賃はかかるわけだ。

 資金が必要なのだから、アスティや他の冒険者パーティーに差し上げるのが良いと思った。

 だがそれを言ったらアスティは、受け取れないとか言い出す。

 意外と遠慮するのか。


「ロメーロ様。みんなロメーロ様が神様みたいに見てます、人じゃないと思われてます」


「まあ神様ではないが、人の範囲を超えているのは確かだからな。そこは否定しないでおこう」


 さすがに神様に俺はなれないしな。

 ただ神様と会って会話したのは俺くらいだろうな。

 ガブレラ神と会話したのは、みんなには言ってないが、言わない方がいいか。

 あまり言うと、面倒になりそうだし。

 ガブレラ神とはまた会うかわからないが、このスキルが規格外なのは、また今回も証明された。

 解体作業は終わりになり、魔石と素材は全部アスティに渡した。

 もう古城と街には目的はなくて、魔物もでてくることはないと思われるが、そこは俺には断定はできない。


「ロメーロ、ロメーロ、ありがとう!」


「ロメーロ、ロメーロ!」


「ロメーロよ、街を救いいただき助かりました。私は古城で執事をしてました。以前はこんな強力な魔物はいませんでしたから、なぜいきなりイフリートスが現れたのか謎です」


「そうだな、俺も謎だ。今は安全になったが、またイフリートス級の魔物が来ないとは断定はできないな」


「イフリートス級の魔物がまだいるのかよ、ヤバイだろ」


「あんな化け物はロメーロかSランクパーティーじゃないと無理だ。後は勇者オリオンか」


「オリオンは保証はできないから、あまり期待しなくていいかな」


 ガブレラ神から聞いたのは魔王と邪神が行動をしていると。

 その影響で強烈な魔物が出現していると思うが、彼らにそのことを伝えるのは混乱するだけだろうから、魔王については黙っておこうか。

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