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『86話 古城25』

『86話 古城25』



 アスティのおかけで背中が猛烈に熱いのを耐えられたのは、ひとえに器用富豪スキルだった。

 複数のステータス上昇スキルをしてあるからで、普通なら即死だった。

 物理防御力1000倍上昇、体力消耗速度減少をしてあるから助かった。


 もししてなければ、この場で即死だったのを考えると、恐怖感があった。

 普通というのはAランク、Sランクの冒険者でもという意味だ。


 アスティは遠ざかっているので、守る必要はないから、イフリートスと俺との戦いに専念できそうだ。


「あははははははは、ロメーロもバカな奴だ。アスティを守って死んだのだからな、あははははははは、もうこれで最大の邪魔はいなくなったぞ。残りは大した冒険者はいないからな、あははははははは」


「誰が死んだって?」


「あははははははは、ロメーロに決まってるだろう………あれ、ロメーロ、なぜ生きているのか!」


「勝手に殺したことにしないでくれ。いくら魔物でもそれはルール違反だろう」


 俺がまだ生きているので、衝撃を受けたらしいイフリートスは、体が震えているのが俺の目にはっきりと映った。


 渾身の一撃と思って俺の背中に拳を打ち込んだのだから、死んだと思うのが、魔王の側近ですら当然ではある。


「バカなああああああああああああ、あの状態で我の炎の拳を受けたのだぞ、2度も。生きているはずがない、どんな冒険者でも無理だ」


「どんな冒険者も無理なら、俺は例外てわけだ。人族でも俺は特別ってわけだ。それも規格外の例外と言っておこう。器用富豪スキルは例外としよう」


「器用富豪だと?」


「そうだ、器用富豪スキルで、俺は自分に攻撃力1000倍上昇、防御力1000倍上昇、魔法防御力1000倍上昇をしてあった。よって炎の拳を受けたのも助かったわけだが、かなり痛かったのは事実だ。たぶん骨が何本か折れているだろうな」


 体の中で音がしたから、骨でも折れたかと思われるが、その程度で済んだのを感謝した。


 まあこの痛みは後でアスティにはきっちりと払ってもらいたいものだとして、いい加減にイフリートスを始末する他ない。


 この痛みの分は最低でもお返ししたいし、古城に迷惑もかけたのだし、古城の街にも多大な犠牲者も出したわけで、生きていさせるのは無理である。


「えっ、今なんて言いましたか、我の聞き間違いだよな、スキルが1000倍とか聞こえたが」


「聞こえた通りだ」


「ありえねぇだろ、人族のくせにありえねぇスキルだ。どんなに凄いスキルでも、ステータス上昇は2倍、3倍が限度だ。勇者や賢者クラスでさえそうだろう。それを1000倍とか、規格外だろ!」


「規格外なのが器用富豪スキルだ。俺の存在が規格外でもある。魔王の側近と言われるイフリートスでさえ、俺が本気を出したなら、確実に死ぬからな。これが規格外である理由だ」


 アスティを助ける際に、一瞬だが俺の方にスキが生まれたのだ。

 あの時はアスティを助けるのが精一杯だったから、俺でも仕方ない部分はある。


「ふふふふ、しかし今のロメーロは、背中に重症を負っているのだろ、手応えがあったからな。もはや楽に勝てるぞ、これで最後にしてやろう、メガイラプション!」


「またそれか、背中に重症してても効かない。さっきはアスティを助けるため、少しばかり油断が生まれただけ、もう俺が攻撃を受ける理由はなくなった」

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