『83話 古城22 イフリートスと戦う』
『83話 古城22 イフリートスと戦う』
「何をグダグダ言っているのか戦っているのは我だぞ。ロメーロとか言ったな、我のメガイラプションを片手で防いだのは、褒めてやる。人族で防いだのはロメーロだけだ。しかしいっさい攻撃してこないところを見ると攻撃がないなお前、そうだろ、防御しかないのだな、あははははははは」
「なぜ俺が攻撃できないと言い切れる。攻撃してないからなら、それは俺がイフリートスをいつでも倒せるとは考えないのか?」
何て単細胞な魔物なのだ。
どうやってそんな短絡的な発想に行きつくのかと。
魔王軍の将軍、幹部はこのレベルの発想なのか。
だとしたら、指揮する魔王も大変だなと同情する。
あまりの脳の無さに。
「あははははははは、考えるかよバカ。我が怖いのなら怖いと言え」
「怖いかと言われたら怖いだろ。誰でも魔王の側近のイフリートスを前にしたら、怖いに決まってる。だから俺が戦うしかないとも言える」
「あははははははは、それなら攻撃してみろ、我の体に傷をつけてみな!」
イフリートスは俺が防御しかできない、攻撃はできないと思っていて、俺のことを弱虫扱いしてきた。
そこで体には自信があるらしく傷をつけてみろというので、俺の攻撃の番だから、剣をぬいた。
イフリートスの皮膚は硬いのだろうが、俺の剣は武器強化1000倍スキルをしてあるし、物理攻撃力1000倍スキルもしてある。
そのことをイフリートスは知らないと思われる。
そこまで言うなら俺から攻撃をする。
剣は安っぽい剣であるが、使い慣れている剣だ。
イフリートスが笑っている間に急接近し、速度も器用富豪スキルで上げてあるので、イフリートスが笑った口を閉じる前に目の前にいた。
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、速い、速い!」
「それじゃ切るぞ」
ザクっ!
ザクっ!
ザクっ!
イフリートスが防御もできぬ間に数回切ってみると、イフリートスは、
「ぐぎあああああああああああ、速い、なんだその剣術は速すぎる!」
「剣術で普通に剣で切っただけだ。ただそれだけのこと。俺の剣術はどうだい」
「なんだとおおおおお、普通に切っただけで我の体を流血させたのか。じゃあなにか、ロメーロの剣は特殊な剣なのだろ、そいだろ、伝説の聖剣を使ったのだな。だから我の皮膚を切れたのだな」
「違うな、俺の持っている剣はごく普通の安い剣だ。銅とか、そこらへんだろうな」
「銅! 普通の銅の剣で我を切ったのか、あり得ない、聖剣やミスリルの剣だろ!」
「銅だったな。使い慣れているんで、昔のまま使っているのだ」
イフリートスは血だらけになりながら、俺の剣に文句をつけてくるも、本当に銅なのでこれ以上伝えようがない。
聖剣は聞いたことのある、伝説級の剣だろうし、魔剣なども攻撃力は大幅に上昇すると聞いている。
ただ俺の場合は器用富豪スキルによって攻撃力は1000倍に武器強化も1000倍には上昇させるため、一番弱い武器でも、聖剣を遥かに凌ぐ剣になってしまうのだ。
イフリートス的には自分の皮膚の強さを、誇示したいのだろうが、器用富豪スキルの前にはイフリートスの皮膚ですら、ゴブリンの皮膚と同じだった。
Fランクの魔物とSランクの魔物との差はなくなるのが器用富豪だった。
Sランクですら横一千にする。
下級並みにしてしまうのだ。
やっと力の差に気づいたようだったが遅かったな。
何も力を入れずに軽く切ったら、イフリートスの皮膚を切ったのだ。




