『82話 古城21 イフリートスと戦う』
『82話 古城21 イフリートスと戦う』
いったい俺は何のために生まれたのかとか考えさせられた。
オリオンのパーティーに入り、破滅の団を勇者パーティーにまでさせたのは俺の器用富豪スキルの恩恵ではあるが、それが俺の人生だろうと思ったのだ。
オリオンのパーティーの為にこのスキルを使い魔王を倒せたとしたら、それは器用富豪スキルの使い方として間違いではないだろうも思っていた。
そしたらオリオンは追放したので、このスキルの使い方に迷いか生まれているのは事実だ。
ただここに来るまでにグールマスター、オークキング、そしてイフリートスと名だたる神話級の魔物と戦うことになり、俺の中でも変化が起きた。
器用富豪スキルをどう使ったら一番正しいのかをガブレラ神から伝えらえた。
神様と話すて変な話だが、実際に話したのだ。
そして俺のやるべきことは決まっている。
わかっているのは、イフリートスは生かしておくには、あまりにも危険過ぎるという点は確かだな。
これを生かしておいたら、カイザール国は数日で滅ぶだろうし、他の国も同じだ。
「なんだと! キサマ程の冒険者を役に立たないと追放したと言うのか勇者は。バカな勇者だな」
「勇者に言え。俺に言うな」
オリオンが勇者というのは知らないらしい。
各国に勇者として名のっているのがいるから、必ずしもオリオンを知っているとは限らないが。
すると冒険者の中から俺に対する声が、
「ロメーロ、ロメーロ、ロメーロ!」
「勇者に追放された神だ!」
「勇者なんて要らない、ロメーロは勇者を超えた存在だ、アスティなど目じゃないぞ!」
「ぬぬぬ」
アスティは俺と比較され惨めな言い方をされて言葉を濁らす。
俺と比較するのが勇者と比較する以上なのだから、アスティには厳しくなる。
「アスティよりロメーロが、指揮官をしてくれ!」
「アスティはロメーロの指示で動け!」
かなり厳しく言われているのはアスティの顔を見たらわかり、俺に対して不満がある顔だ。
アスティがここまで冒険者100人と王国騎士団の500人を指揮してきたのは、俺も見ていた。
ただし上半身女のスキュラに苦戦していて、戦況は悪かったのを俺が器用富豪スキルで加勢して倒した。
アスティの力ではなかったし、古城に入った後も、レベル729のヒュドラがいて、イフリートスが現れたら、まるで何もできずにいて、残った騎士団からも不満だったのだ。
そこへ再度、俺が器用富豪スキルでイフリートスを子供扱いしたので、俺とアスティを比較して言ったのだ。
もちろんアスティは弱い冒険者ではないし、Aランクパーティーの団長として有能なのは恥ずかしいことではないが、俺という存在と比較されてしまうも、アスティのプライドを傷つけたらしい。
冒険者らも厳しいな。
自分達の力の無いのにも関わらず、全部アスティのせいにしたのだから。
そこは違うだろうといいたい。
アスティは弱くないのだ。
弱いのは騎士団と冒険者らなのだ。
100人の冒険者はもっと強くなる必要がある。
俺がもしカイザール国に来なかったら、破滅していたのだと思うべきだ。
そして強くなるしか、魔王との戦いに勝てる方法はない。
魔王との戦いはすぐ迫っていると危機感を持つべきだ。
じゃないと全滅すると。
「クソっ、ロメーロ、俺がお前よりも劣ると言うのかよ。俺が勇者から追放されたロメーロよりも指揮では負けるというのかよ!」
「別に気にするな。アスティと俺は違う。俺が強いのは事実だが、アスティは俺のできないこともできる。それでいいだろ。イフリートスが俺が戦う。アスティ達は扉にいるヒュドラを頼む。できるか」
「ふん、俺に指図するのかよロメーロ。俺に指図できる人間は俺が認めた人間だ。まだロメーロを認めていないのだ。指図するな。だがヒュドラはやるとしよう」
「任せた」
やはりアスティは不満があるので、俺の言うことに素直ではなくて困る。
納得はしてないが、ヒュドラとの戦いはすると言った。




