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『81話 古城20 イフリートスと戦う』

『81話 古城20 イフリートスと戦う』



「器用富豪スキル、魔法防御追加で上昇」


 すでに魔法防御上昇は1000倍してあったのを、追加で高めたので対抗する。

 イフリートスは持っている魔力の最大限で放ってきているからだ。

 念のため用心しておくのは、魔王級の化け物だけに、細心の注意はしておく。


 メガイラプションの炎が俺にめがけて迫ってくる。


「ロメーロ様、逃げてええええええええ!」


 アスカが心配して叫んだ声が耳に届いた。

 あまりの強烈な火魔法に耐えられないと思ったのだ。


「だめだ、ロメーロ、下がれ、下がれええええええ!」


「いくら、ロメーロでも死ぬぞおおおおおおお!」


 冒険者からも注意が飛んで来るが、俺は逃げる選択はないし、逆に防いでやるつもりだ。

 人族では絶対に無理な防御も可能だった。


「ああああああ、まさか、まさか、我の我のメガイラプションを片手で防いだああああああああああああ!」


「ちょっと手の平を火傷したな。熱いな」


「信じられない、ロメーロ凄ええええええええ!」


「ロメーロ様、ロメーロ様、良かった!」


 メガイラプションを片手で防いだことで、いっせいに反響がきたのは、雷光の団や騎士団もメガイラプションの凄さを肌で実感していて、驚異をしっていたからだ。


 その炎を俺は片手で止めてみせたわけで、大反響になるのは当然であった。

 逆にイフリートスはショックで言葉を失った。

 魔物でも言葉を失うことは人と同じらしい。


 衝撃に絶句して立ち尽くしている。

 やっと俺の力の差を認識したらしい。

 今さらだな。

 遅すぎたな。

 魔王の側近にしては、認識が遅い。


「ありえないロメーロ、ありえないぞ。お前は何者だ。我のメガイラプションを防げる人族がいるのか。まさかキサマは勇者か、そうだ、魔王様が話していた勇者だな、それならつじつまが合う」


「勇者? 俺が勇者だと思ったか。違う俺は勇者という光栄な職種ではなりえないな」


「勇者ではないのに、この強さか」


 どうやらイフリートスは俺のことを勇者と思ったらしく、魔王からも勇者について吹き込まれていたとかで、迷惑な話だ。


 なぜ俺が好き好んで追放してくれた勇者にならなければならないのかと訴えたい。

 勇者のオリオンから追放された俺に恨みがあるのかと言いたいのが俺の気持ちだ。


 だが魔王が勇者を警戒しているのが今の会話でわかった。

 魔王も万全ではなくて、人族に対して警戒はしていると。

 聞いている歴史では人族と魔族は攻め合っていた。


 魔王が人族を支配するのを、人族の勇者、賢者といったその時代の英雄が防いできたと伝えられている。

 魔王はその歴史から人族を滅ぼすのができないできたとも。


 有名なところでは勇者オネストは冒険者なら誰でも知っているくらいに有名な伝説の人物。

 人族が滅ぼされる時に現れ、魔王を討伐した人物として神話のように語らえているから俺でも知っている。


 イフリートスの話から魔王が今も健在なのは知れたのは大きい。

 できればどこにいるかの場所まで聞きたい。

 魔族の大陸のどこかに潜んでいるらしいが、はっきりとはわかっていない。

 オリオンは知っていなかった。


 魔王の件はまたガブレラ神に聞けばいいか。

 今考えることではない。

 今はイフリートスの戦闘中だ。

 そしてイフリートスは俺を勇者と勘違いしてきたのは、腹立たしい。


「それは俺に対する、いやみか?」


「イヤミ?」


「そうだ、俺は勇者パーティーに所属していた、この前までな。勇者からパーティーを追放されたのだ俺は。それなのに俺を勇者かと。嫌味でしかないだろう」


「ええええっ、追放?」


「そうだ、追放だ。役に立たない冒険者はパーティーに必要ないからだと言った。追放された俺は自由に冒険者をしているのが現在だ。そこで偶然にも古城に来ることになったのさ」


「まさかああああああああああ、この強さでパーティーを追放、役に立たないて、勇者パーティーてのはどんだけ強いのだ。魔王様が話していたのは本当だったのか。勇者パーティーは強い、過去にも勇者や賢者に負けたことがあったと言った。魔王様に勝てる人族は限られている。勇者はロメーロよりも強いのか?」


「さあ、勇者が俺よりも強いかと聞かれたら、答えたくはない。むしろ俺は心配しているのでな、勇者のことを。俺を追放して大丈夫かなとな」


 ここにオリオンが居たら、俺の器用富豪スキルによる恩恵で、オリオンがイフリートスを倒すとしよう。

 そうなるとオリオンは自分の力で倒したと自慢するのだろうな。


 それを直ぐに世界に広めたがるのがオリオンで、俺は補助をしているとなるのだがな。

 だが今は自由に活動している身の俺は、オリオンに縛られる必要はなく、自由に考えて行動している。


 ただ俺はこの器用富豪スキルというユニークスキルを、ガブレラ神から与えられたスキルなので、魔王と戦う運命にはあるのだ。


 器用富豪スキルを俺は何のためにどう使ったらいいのか、俺はそれを考えるのが与えられた使命なのだ。

 イフリートスの話では、魔王が勇者と賢者らと戦った経験があると言う。

 伝説の話ではなくて、実際にあったわけだ。


 俺が魔王と戦うとして、歴代の伝説の英雄のようになれるか。

 この調子だと魔王とも近いうちに会いそうな気もするが。

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