『77話 古城16 イフリートスの魔法』
『77話 古城16 イフリートスの魔法』
「ふふふ、なかなかやりますね。人族がここまで戦えるとはね。しかしいくらあがいても無駄です。古城を取り戻すのは不可能と言っておきます。理由は知らない方がいいでしょう。その前に逃げるのを進めます」
「だまれ蛇。俺が魔物が怖くて逃げると思ったか。逆にヒュドラこそ逃げたいのじゃねえか」
「我ら3体とやり合えるのは、褒めて上げましょう、あの方がお見えします。ここに来られます。もう終わりです。あなた方は全滅です」
「はああ? 何言ってんだよ、雷光魔法でお前らこそ終わりにしてやる!!」
ヒュドラが体力を減らしていったときだった。
アスティが魔法を繰り返し放った。
雷光魔法である。
いくらレベル729のヒュドラでも、アスティの魔法を何度も受けたら、ダメージは相当にある。
しかしこの余裕ぶりはなんだろう。
変だ、ヒュドラの余裕は別のところから来ている。
それが何かわからない。
雷光魔法が出る。
しかし雷光は防がれたのだった。
「なんだ、俺の雷光魔法が起きないぞ!」
「どうしたのだ、雷光は!」
さっきまでの雷光魔法はヒュドラに命中していたのに、今の魔法は違った。
誰かに阻まれた感じだった。
俺が気になっていた何者かが防いだとか?
「あははははははははは、弱い雷光だな、これで我を倒せると思ったか!」
「誰だあれは、魔物だ、魔物が現れたぞ!」
「あの姿は、もしや、もしや、伝説の魔物、イフリートスか?」
ヒュドラは戦いを止めて現れた魔物の横に並んだら、雷光の団も戦いを途中で中止し、魔物の姿にイフリートスと言った。
イフリートス?
まさかあの伝説の魔物か?
やはり俺の感じていた魔力はこの魔物だったのかと、判明し、嫌な予感がまた当たったなと感じしてしまう。
身長は人族よりも2倍くらいはあり、筋肉もあり、全身は赤く燃えている風にも思えた。
アスティの雷光魔法を防いで無効にしたのはイフリートスだった。
凄まじい魔力を放っていた。
圧倒的な存在感だった。
「ロメーロ様。あの魔物は強そうです!」
「イフリートスらしいな。魔王の直属魔物だろう。強さはSランク以上だろうか。なぜこんなところにいるのだか知らないが、面倒なのが出てきたな」
「そんな強い魔物だったら、危ない。ロメーロ様が直接戦うしかないですよ」
「まぁそうなるだろうな。アスティ達のパーティーで勝てるかと言えば、俺は保証しないな」
雷光の団はレベル729のヒュドラで互角のパーティーだ。
ヒュドラの鑑定だとAランク相当に位置する強さだけに、それと互角では伝説級のは厳しいだろう。
まさかこんな化け物がいるとは、またも俺は忙しくなりそうだ。
ガブレラ神が言っていた話と通じるのが嫌な感じする。
魔王やら邪神の話だ。
イフリートスが実際に俺の前にいるのだから、現実になってきているのだろう。
ここまで接戦で奮闘してきた雷光の団ですら、沈黙していた。
レベル729のAランク級のヒュドラとは別次元の強さを感じているからだ。
誰も動けないでいる。
雷光の団ですらこの状態だ。
他の騎士団の精鋭部隊は、もう立っているしかない。
戦う意思が削がれた感じだ。
戦う闘志を消された騎士団と冒険者達。
魔王級の魔物の存在感に震えすら通りこしていた。
おそらくは足が動けなくて逃げることすらさせないオーラが出ている。
本来なら魔王のところにいるべき魔物のはずだが。
魔王城や魔王のダンジョンの最奥で指揮を取っている。
そのクラスの化け物が現れると、誰も予想すらできなかったのだ。
鑑定するのが不気味であった。
『器用貧乏』のぞき見 Fランク
↓
『器用富豪』神眼鑑定 SSSランク
名前 イフリートス
レベル 1534
体力 15330
魔力 7235
攻撃力 9780
防御力 8460
素早さ 1743
スキル
魔法
メガイラプション
「我は炎の化身。イフリートスだ。知らない冒険者はいないだろ。あははははは。このしろは我の城にした。死にたいか、死にたくないだろ、だったら、今すぐに我の城から出ていきなさい、あははははははは」
「ふざけんなイフリートスよ、調子に乗るな、城は取り戻す、お前の好きにはさせない。雷光の団の力をイフリートスにぶつけてやるんだ!」
アスティは怯えずに言い返した。
「おおおお、アスティ団長に続け!」
「イフリートスなんてただの神話だ、実は弱いかもだぜ!」
イフリートスに誘われてか、アスティの雷光の団20名は、イフリートスとヒュドラへと正面から突っ込んでいく。
アスティが真っ先に先陣をきる。
俺が思っていた以上に勇気がある。
「炎がなんだ、炎に負けないのが俺の雷光。雷光魔法!」
ドドドーン!
雷光がイフリートスの頭上に落下する。
閃光が走った。
ヒュドラもダメージはあった魔法。
この魔法攻撃でイフリートスの強さがわかる。
「ふふふふふ、何これ。これが雷なのかな。ちょっと手がしびれたかなアスティくん?」
「ななななああああああ、俺の雷光魔法を片手で受け止めた!」
「えっ、これがアスティ団長の雷光魔法なのか、俺が魔法てのを見せてあげようか、炎よ集まれ、我に炎の力を与え、冒険者どもにみせてくれ、火魔法、メガイラプション!」
ゴゴゴゴゴゴゴボオーーーーーーーーン。
「団長の魔法が効かねえええけええええええ!」
「団長、こいつは本物の神話魔物のイフリートスでは?」
「まさかだよな、なんだ、この火魔法は、凄え火力だああああああああああああ!」
「うあああああああああああああああああああああああああ!」
イフリートスの火魔法が炸裂したら、危ないな。
部屋の床は炎で燃え上がり、雷光の団20名は一瞬で炎に包まれる。
魔法の強さはアスティの魔法とは魔力が違った。
威圧感が桁違いに強かった。
危険な攻撃だ。
化け物なのが一瞬で伝わる。
この場にいる全員を殺す気か。
「アスカ、俺の後ろに隠れろ!」
「はい、ロメーロ様!」
炎の勢いは部屋中に広がり、こちらの500人は炎に熱せられる。
部屋ごと燃えるのに十分な熱量だった。
熱が俺の体に刺さるように来た。
「熱いいいいいいいち!」
「熱いよおおおおおおおおおと!」
まいったな、いきなりとんでもねえ魔法をかけやがったなイフリートス。
器用富豪を出さないと全員焼死する。




