『76話 古城15 ヒュドラと対戦』
『76話 古城15 ヒュドラと対戦』
ヒュドラと雷光の団は激しくなると、アスティも参戦する。
「俺の魔法を受けろヒュドラ、雷光!」
「おお、アスティの雷光だぞ!」
「魔物は全滅する雷光魔法だ。ヒュドラも終わりだ!」
雷光魔法というのを放ったら、ヒュドラの上空から雷の光が凄まじく落ちた。
ヒュドラの全身に直下して、爆発音が鳴った。
これはかなり強力な魔法だな、だてにAランクのパーティーの団長をしているわけではないようだ。
俺が見た感じでそう思ったのだから、間違いはない。
「ほおお、雷の魔法か。強烈な魔法を使うか。昨日までの冒険者とは違うようだな」
「ヒュドラよ、話せるのも今のうちだ。直ぐに話すこともできなくなる」
「魔族を甘くみるなよ」
ヒュドラに雷光魔法が炸裂する。
だがヒュドラにダメージがあったのか。
普通に話しているので、それほどでもなかったか。
「ロメーロ様、生意気なアスティですが、なかなか強いです、強烈な雷でした。Aランクパーティーですからね」
「口だけではなかったらしいな。このままヒュドラを倒してくれたらいいのだがな」
アスカも驚く魔法でヒュドラに与える。
「見たかロメーロ、俺のはイカットの親友でもあり、ライバルでもあったのだ。俺の雷光の団がAランクパーティーになったのがわかったろ、ヒュドラなど全滅させてやる。ロメーロに言っておく、街でのスキュラとスライムを倒したのは、冒険者達の活躍で全てロメーロの仕事ではないのだと言っておく」
「まあ全て俺の仕事とは俺も思っていない。アスティが全て倒すならアスティに任せる。俺は楽でいい」
アスティが頑張るのなら、俺はいっこうに構わないし、俺が必ずやると前に出たいと自分を認めさせる考えはない。
そこは勇者オリオンと俺の違いで、オリオンは目立ちたがりの男だった。
オリオンは何でも負けるのが嫌いだったし、たとえくだらない遊びでも負けるのは嫌だとなる。
アスティの雷光の団とヒュドラの激突は、激しさを増していった。
魔法を使えるメンバーも揃えてあり、火魔法の炎がヒュドラを襲い、さらに水魔法の攻勢をした。
対してヒュドラは頭が何本もヘビであり、雷光の団に食いかかった。
「やっぱり凄え雷光の団!」
「王都最強の団だ、アスティは最強だ!」
戦いは互角であるから、俺は見学しているのはいいとして、俺の中では異様な魔力を感じている。
スキュラは街ですでに倒してあるし、ヒュドラは現在戦いの最中であるが、ヒュドラでもない魔力を感じるのだ。
嫌な予感がする。
ヒュドラではない何かだ。
グールマスターやオークキング級のが古城に別にいるのか?
あまり考えたくはないが、
それはアスティも王国騎士団の誰もが気づいていない、強大な魔力に。
俺だけは気づいたのだが、それが何なのかまでは判明できないのである。
だからアスティにヒュドラは任せておくので、富豪スキルは発動は控えてあるのは、不測の事態に備えてある。
いざと言うときに使うためだ。
俺の嫌な予感は良く当たるので、今回の予感は外れて欲しいものであり、このまま古城を取り戻せればと思う。
しかしオリオンから追放されてから俺は忙しいな。
なぜこんなに忙しいのかと自分でも考えてしまう程で、嫌な予感が当たったなら、恐らくは古城の戦いは今とは全く違う形になる。
グールマスターやオークキングクラスの魔物が控えていると、戦況はひっくり返されて、魔物側が優勢に変わるのだ。




