『73話 古城12 スキュラを討伐』
『73話 古城12 スキュラを討伐』
スキュラの速度を落としたのと同時発動した、冒険者と騎士団の速度上昇も、異常なくらいに上昇させた。
スキュラに攻撃を与えた結果は、今までの何十倍、百倍にもなり、スキュラは耐えきれなくなるのだ。
事実、スキュラは苦しそうにして防御するものの、一度に切られてしまい大量の出血だった。
他にもスキュラは同じように防御しかできなくなり、形勢は逆転したのは、俺の予想範囲内だった。
「やったぞおおおおおお。ロメーロの言うとおり勝てた!」
「スキュラを討伐したぞおおおおお、ロメーロのスキルが凄すぎる!」
「こっちもだ、スキュラを殺したぜ、ロメーロのスキルがハンパない!」
あちこちで俺のスキルを讃える声が起きて、スキュラは10匹は見えないところから、全滅させたものと思われる。
戦場で、歓声が起きているのはいい状況の証拠である。
全滅とはいい結果だった。
俺の予想を超えた結果だった。
冒険者パーティーは、経験もあり勇気のある勇敢な者が多かったのがいい結果に繋がったと思えた。
スキュラは強敵だったのに、怖がらずに剣を振った。
俺はその姿に器用富豪が少しでも貢献できたのを嬉しく思った。
街の魔物は大軍だったが、一気に俺達の攻勢が続き、押していた。
「凄いぞ、スキュラは倒したよ!」
俺のところに駆け寄り言った。
「いい攻撃だった。俺は見ていた」
「信じられないくらに俺たちの攻撃力が上がったし、防御力も上がった。あんなに強かったスキュラをめった打ちしてやった!」
「みんなの攻撃力と防御力は100倍にしてある。俺の来る前とは違うはずだ。このまま残りのスライムサンダーも全滅させるのだ。今のみんななら、恐れることはない。さあやろう」
「おおおお、のこりスライムもやっつけろ!」
「俺たちには、ロメーロがいる、ロメーロがいたら怖くないぞ!」
「ロメーロを信じろ!」
スキュラの討伐に成功し、勢いのある冒険者らは、残りのスライムサンダーを倒しに行く。
冒険者は、最初は負けていても、一度倒せるとなると、勢いづくもので、冒険者と騎士団の軍勢を率いる点で、重用な要素だ。
いったん精神的に弱くなると、軍勢の勢いは下降してしまうのだ。
俺はまず冒険者たちにその点を回復させるためにスキュラを討伐してもらったのであり、俺が直接に倒すよりも効果的と考えたのだ。
俺の器用富豪スキルは、攻撃と防御にも効果的なのが証明されていて、勇者オリオンのパーティーにも同じことをしていたのだが、オリオンらはわかっていなかった。
オリオンは俺が能力を高めているのに、逆に自分の才能だと思っていて、俺が何もしていないとか言っていた。
逆にここにいる冒険者達は、みんな俺に感謝しており、オリオンとは真逆だった。
なぜ違うのかは、わからないが、オリオンらが成長しなかったのが、そこのところにあるのだと俺は考えているのだ。
勇者になったと浮かれていたら、成長は止まるものだし、自分で才能があると思い込み、あぐらをかいていると、周りが見えなくなる。
オリオンには俺はもっと成長して欲しかったのであって、才能よりも先にオリオンよりも強い魔物がいっぱいいると、認めて欲しかった。
しかしオリオンは、自分が最強だと信じ込んでしまい、努力をしなくなってしまったのが、俺としては残念であったが、今は心を入れ替えてくれていたらと思う。
そうやって冒険者は成長するものだろう。
ここにいる騎士団と冒険者は今日は成長したと思う。
俺のスキルの恩恵はあったにせよ、オリオン達と違い自分たちは強くないけど、頑張る気持ちがある。
その気持ちがあれば、成長できると思う。
俺だって同じだった。
器用貧乏時代は苦労の連続だった。
でも器用富豪となり、今はみんなの力になれている。
そうなるとアスティが気にはなる。
彼は俺を敵対視してきたからで、スキュラを討伐できた光景に、なんて言うかだ。
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