『72話 古城11 器用富豪を貸す』
『72話 古城11 器用富豪を貸す』
スライムとスキュラがのさばっている中に俺は突っ込んでいく。
俺が魔物との戦いの中に入ったら、注目が集まる。
武器での戦いを止めて冒険者が、
「あなたは、瞬間移動させた方ですよね、名前はロメーロでしたか。移動スキルはあっても戦闘スキルや魔法があるのかい?」
「ある。みんなを集めてくれ。俺がスキルを開始する」
「本当にか、ロメーロがスキルを使うぞ!」
「みんな、ロメーロが来たぞ!」
「また凄いスキルがあるのか!」
見ると地面に倒れている冒険者と騎士団が数多くいて、数十人はいるかな。
思った以上にやられていて、早く来たほうが良かった。
みんなが俺に注目している時にスキルを使う。
ここからが本番だ。
瞬間移動スキルは序の口だったのだ。
本当のスキルが力を発揮するのは、今からだ。
全能の神が授けた力を。
神に認められた戦闘能力を披露するときが。
「みんな、魔物との戦いはご苦労だった。俺は後方にいて来れなかった、これから手伝う。もう少し頑張れ」
「助けてくれ、ロメーロ。もうだめです!」
「まあ待て、今からスキルを使う。器用富豪スキル、体力消耗速度減少」
『器用貧乏』持久力 Fランク
↓
『器用富豪』体力消耗速度減少 SSSランク
体力がかなり弱っている数十人とまだ戦える冒険者などに行うスキルで、体力の消耗は停止に近くさせられ、それも戦闘中維持される。
極めて規格外なスキルであるから、このスキルは俺に負担がかかる。
それでも戦況を見て決断した。
オリオン達にもしていたスキルで、彼らにも絶大な力を与えていた。
「今のは?」
「一定時間は、体力がこれ以上は減少しないようにした。頑張れるはずだ」
「おおお、まだやれそうだぞ!」
「頑張ろう!」
体力消耗速度減少をしたのを伝えると、奮起したくれたから俺はしたかいはある。
ただこれで終わりではないのが、器用富豪だ。
アスティはまだ俺を知らない。
俺が世界でも違う存在だということを。
全ての人族の中で俺だけは違う存在なのだ。
いや存在にさせられたと言う方が近いか。
神に理由は教えてくれないが選ばれた。
今はガブレラ神が見ているだろう。
これでいいのだな、ガブレラ神。
器用富豪を思う存分使わせてもらう。
「器用富豪スキル、武器100倍強化」
「器用富豪スキル、物理防御力100倍上昇」
「器用富豪スキル、敵全体速度減少」
「器用富豪スキル、物理攻撃力100倍上昇」
「器用富豪スキル、速度100倍上昇」
ー---------------
『器用貧乏』武器磨き Fランク
↓
『器用富豪』武器100倍上昇 SSSランク
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『器用貧乏』守り Fランク
↓
『器用富豪』物理防御力100倍上昇 SSSランク
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『器用貧乏』監視 Fランク
↓
『器用富豪』敵全体速度減少 SSSランク
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『器用貧乏』打撃 Fランク
↓
『器用富豪』物理攻撃力100倍上昇 SSSランク
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『器用貧乏』小走り Fランク
↓
『器用富豪』速度100倍上昇 SSSランク
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複数のスキルを使いこなす。
常時発動は力を必要で、とりあえずこの程度にしておく。
とりあえずはと言っても、これだけ複数スキルを使える人は俺しかいないだろうが。
しかも全部上級スキルの遥か上のランクのスキルだった。
冒険者から、
「な、な、な、にをしたの今の?」
「多重スキルを発動した。これでスキュラとスライムとも戦えるだろう。俺のスキルを信じれはスライムとスキュラなど怖い魔物ではなくなる。最初は怖いだろうが、瞬間移動した俺のスキルは、冒険者と騎士団にSランク級以上の力を与えたのだ。Sランク冒険者以上と同等の力がある。さぁ反撃の時だ」
「えええええ、多重スキル? 普通はスキルは一つだろ、2つ以上は無理とされているし、何個発動したの?」
「それに、スキル100倍とか、あり得なくねえか、とにかくみんなロメーロを信じて戦ってみろ!」
俺のスキルに半信半疑なのはわかるし、理解できないのもあるだろうけど、実際にスキュラと戦えば理解できる。
今までとは圧倒的に、100倍に攻撃力などを上昇させたからだ。
俺だけに使うなら1000倍もできるが、さすがに600人近い人には無理で、100倍に落としておいた。
実際にスキュラが数匹迫ってきて、上半身は女の姿をしている。
冒険者と激突した。
スキュラには押されていた冒険者も怖がらずに向かっていき、対決した。
スキュラは強いのはわかっているが、冒険者も負けずに向かったので、いい勝負になる。
10匹いるスキュラをめがけて冒険者が囲んでいき、攻撃力と武器を超絶に強化してあるので、相手の防御力はないに等しい。
それとスキュラの速度も減速しており、その速度は著しく落としたため、冒険者にか込まれても逃げることは不可能だ。
悪かった戦況はこれで変わる。
俺はまだ何も攻撃を加えていないが、騎士団と冒険者パーティーに力を貸したのであった。
ただし、600人で参加しただけに、これだけのスキルを常時600人にすると、俺は苦労する。
とてつもない体に負担がかかったのは、わかっていたが苦痛だった。
これも偉大な力を得た代償と思えばいい。




