『70話 古城9』
『70話 古城9』
「ヒュドラか。スライムとは違うな。そうなると危険度は格段に上がる。アスティたちは今は楽勝ムードだが、厳しくなるかもだ」
「見てくださいロメーロ様。街の戦いに変化がありそうです、圧勝していたのに」
「やはりな、たぶんスキュラだろう」
「スキュラとは?」
「見ればわかるが、危険なのでアスカは街の人を避難させてくれ。俺は支援から離れて前線に向かう。そろそろ俺の出番がないと厳しくなるからだ」
「避難させます」
アスカに避難作業をお願いして、俺は戦いのある地点の方に向かうとし、支援作業は終わりにした。
ある程度の支援はしたから、困った人の応急措置はした。
次にスキュラの対応だろう。
前線に行くとやはりスキュラがいた。
「スキュラだ、スキュラだ、何匹もいるぞ!」
「強いぞ、スライムとは違い、強いぞ!」
俺が戦場地帯の前線に到着やいなやスキュラの攻勢が起きたようで、スライムサンダーの時とは戦況は変わっていた。
スキュラは上半身は女で、下半身は魚かタコみたいな特殊な形をした魔物。
ただし変な形だからと油断は禁物で、神眼鑑定をしたところ、Bランク相当に値する力はある。
名前 スキュラ
レベル 451
体力 3140
魔力 3235
攻撃力 2254
防御力 2273
素早さ 646
スキル
魔法
レベルは451とあった。
騎士団やCランク冒険者では厳しい相手なのは納得した。
スライムとはまるで違う強さだったから、スキュラが出てくると戦場は一変する。
古城にいた冒険者らが苦戦したのはスライムではなくてスキュラだろう。
レベル451はBランク以上の冒険者でないと難しい。
スライムサンダーのDランク、レベル63とBランク、レベル451では、力はまるで違ってきて、逆に押される場面が出てきたわけだ。
見ると冒険者パーティーにもケガ人のが出ていて、苦戦していて、アスティが司令している。
「アスティ、スキュラは何匹くらいいるのだ」
「お前の力は借りないぞ。別にお前なしでも勝てる相手だからな。まだお前を信用してない。勇者パーティーから追放された奴を信用するか!」
「そうか。追放されたのはそんなに悪いか。まあいい、それならアスティだけでやれ。俺は俺でやる」
「そうしろ」
アスティに話しかけると、まだ俺を信用していないらしく、必要ないと言うので、俺はアスティとは別行動となる。
あまり近くにいると、激論になりそうだし、少し離れるのがいいだろう。
いまだにイカットに対して俺を疑っているから、刺激するとアスティと戦いになるので、味方での争いは避けたいから、俺が一歩引いた。
アスティから距離を取り、独自に動くとして、俺は一緒にいるのも独自にするのも、どちらにも対応はできる。
しかしアスティが偉そうにしている間にもスキュラが攻めてきて、騎士団の盾を貫くし、吹き飛ばされてもいて、苦戦していた。
「アスティさん、こっちにも応援頼む!」
「わかった、援軍を送る!」
「アスティ、こっちは全滅するぞ!」
「それなら援軍を追加しろ!」
「だめですアスティ、援軍の数が足りません。騎士団の数はもう足りません!」
「なんだと、スキュラは何匹いるのだ?」
「はい!スキュラは確認したのは、10匹です」
「10匹のスキュラに押されるのかよ」




