『63話 古城2』
『63話 古城2』
「おい待てよロメーロ。何でお前も来るのだ、俺は認めてないぜ?」
そこでアスティが俺の参加に口出ししてきて、認めないと言うのは、その場に及んで俺を信用しないときたか。
どこまで人を疑う性格なのかアスティは。
一人でも多く参加した方がいいのに、この状況でも俺を外したいらしい。
自分だけで解決できる自信があるらしい言い方だ。
本当に俺が不参加にしたいのか。
「アスティが俺を認めないのは、理由はイカットの件か?」
「そうだ、イカットをだましたような奴と一緒になって戦えるかよ。信用出来ないんだよロメーロ、嘘つき野郎を!」
ここまで嫌われたとなると、もうこれ以上は嫌われないだろうな。
勇者オリオンに嫌われて、さらにアスティにも嫌われて、俺は嫌われるのに天才かと思うほどに、嫌われる。
どうしてかは自分でもわからないけど、嫌われている。
自分から相手を嫌ってはいないのだが、結果的には外されてしまう。
アスティが認めないとして、受付嬢は何て言うのか。
「アスティ、今はケンカしている場合ではありません。ギルドも精一杯の力をかけるのですし、協力してください。お願いしますアスティ!」
受付嬢はケンカしてくるアスティを説得させるのに、頭を下げてお願いする。
アスティはそうはいかないとしていて、
「ふう、受付嬢からお願いさせるなら、応じるしかないよな。今回の古城に行くのは一緒に行くのを認める。ただし勝手な行動は取るな、雷光の団に従い行動すること。よいなロメーロ?」
「わかった、俺はアスティの雷光に従うよ」
「ロメーロ様に失礼な!」
「大丈夫だアスカ、俺なら大丈夫だ」
「でもロメーロ様」
アスカは納得してないが、俺さえ雷光の団に従えばいいのなら、簡単な話だし、先に進むのが大事だ。
こうしている間にも犠牲者が出ているわけで、アスティとケンカしている場合ではなかった。
アスカには我慢してもらって、俺はアスティの雷光の団に従い行動するのを納得する。
俺が我慢することで、魔物を討伐できるなら楽なものだしな。
ギルドにいる冒険者パーティーは外に出て、他にも参加可能なパーティーが集まったら、150人くらいはいた。
まぁ即席で集めたなら、この程度が限界か。
相手の数が把握できていない以上は、多目に集める方がいい。
俺の器用富豪があれば、Aランクの魔物をも討伐は可能だから、早く現地に行きたい。
「王国騎士団も参戦します」
「おおお、騎士団も集まったぞ!」
「これなら圧勝だろ!」
「王国最強の騎士団がいるのだ、もう心配は要らない!」
冒険者達は後から来た王国騎士団に心強くなったようで、みんは歓声を上げて喜んでいる。
騎士団は国家が誇る精鋭部隊。
国家を守るのが仕事であり、王都を守るのも騎士団の重要な仕事であり、
「ロメーロ様。王国騎士団のようですね、数は数えきれない人数です!」
「ああ、凄いな、さすが王都だし、これくらいは集めるのは、カイザール国が大国だからだろう」
「我ら王国騎士団は、500人参戦します。即席であるから500しか集められないし、国王の警備もある。騎士団全員を参戦させられないのだ。どうぞよろしくお願いします」
「おおお、500人もいるぜ!」
「圧勝だよ、圧勝、スキュラとか余裕で倒せるだろ、あはははははははははははは!」
参戦するメンバーは、騎士団の参戦で余裕が出てきたのは、500人も増えたわけで、誰でも余裕が出てくるのは、不思議ではない。
相手の人数にもよるが、叫んでいるように圧勝できたなら、喜ばしいわけで、俺も影ながら力を貸したいと思っている。
器用富豪ならば、力になれる。
カイザール国を救うのに、器用富豪の力を出したいと思う。
この世界が危機に陥っているのを救えるのが器用富豪。
絶大な力を俺だけのためでなく、世界のために使おう。
「凄い数になってます。本当に圧勝する気満々ですねロメーロ様」
「ああ、俺は影ながら力を貸したい。これはカイザール国と魔族の戦いになる。俺が必要なら力を貸すのだ。あくまで主役は俺でなくて彼らだ。彼らが自分たちの力で魔族を倒すのが一番いいのだ。魔族はこの国には拠点は作らせない。魔族国に引き下がれば一番いいだろう」
「はい、私もロメーロ様と同じです。ただアスティだけは要注意ですのは、あれはロメーロ様を信用してませんので」
「そうだろうな」
あれとはアスティのことだ。
だが出発が先だ。
喧嘩や言い争いをしている時間はない。
古城に早く行くのが先決だ。




