『26 モリアーナ』
『26 モリアーナ』
「オリオン!!!!」
「ハニー、手当をしてやれ!!」
賢者ボーデンがハニーに言うとハニーは直ぐにオリオンに治癒を行う。
大丈夫か?
「リアンさ、オリオンの様子をみてくれないか。回復魔法もしてあげてくれ」
「わかったわ」
リアンに俺から頼んだ。
普段はオリオンを毛嫌いしているし結婚を言い出すからで、オリオンに回復魔法をするのは嫌かもしれないが、今のシャドウハーツを受けたオリオンにはヤバいと思ったのだろう。
ハニーとリアンで応急処置をする。
器用富豪スキルで防御力も100倍付与してあるから多少では死なないとは思うし、付与してなかったなら即死だったな。
俺に感謝して欲しいと言いたいところだが、そうも言ってられないのはモリアーナが悠々としているから。
「シャドウハーツで死なないかな、手加減してあげたけどね」
「今ので手加減したと。それは危険すぎるな。オリオンに代わって俺が戦おうモリアーナ」
魔王との戦いで大量の多重スキルをしたままで、疲労感はハンパない状態。
モリアーナと戦うなら短期戦しかない。
時間をかけたら俺がもたない。
負ける。
しかし直感では魔王よりも強いのか?
魔王ブラーゼンよりも強いのがいて、なぜか魔王の下に従ったふりをしていたとなるが。
「私と戦うなら来なさい」
モリアーナに急接近して聖剣レーヴァテインを振る。
移動速度、剣術は1000倍である。
「消えた?」
えええ!!
速い!
こいつ俺の剣を見切って回避したのか。
魔王よりも少し強いとかではないぞ。
はるかに強いかもだ。
だとしたらレベルは?
魔王ブラーゼンはレベル3333だった。
モリアーナのレベルは3333よりも上か?
「速い剣です。それに聖剣レーヴァテインならブラーゼンが死んだのも納得する。強いのは認めます。私のシャドウハーツは防御できませんよ!!」
シャドウハーツが来る。
オリオンを即死に近い状態にした魔法。
防御しないと俺も即死だな。
意外だった。
まさか魔王よりも強いのがいたとはな。
予定外だった。
俺が来る前にモリアーナはリアンやボーデンとクランクが戦っていた。
その時にリアン達を楽に殺せたはずだ。
なぜ殺さなかったのか。
わからないけど、もし殺すと俺に強さが判明すると考えたのか。
魔王を討伐するまでは自分の強さを隠したかった。
それしか理由がないな。
強さを隠しておいて俺と魔王ブラーゼンを戦わせたと。
何を考えているかまるで不明な女だな。
シャドウハーツは何とか防御できたけど、魔王の魔王獄炎破よりも遥かに超えた強さだった。
この女、魔王よりも強いと確信した。
危険度は最高点になった。




