表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

595/600

『24 魔王ブラーゼン』

『24 魔王ブラーゼン』


「ぎぎぎぎぐあああああああ」


 絶叫しながら魔王ブラーゼンは俺の前に倒れた。

 魔王の討伐に成功した。

 王都の街は守らないといけない状況で不利なのに魔王を討伐できたのは神様も褒めてはくれるかな。

 あとはモリアーナだ。

 まあ、魔王はもう死んだし、残った残党というか、幹部程度だろうし、このまま死んでもらおう。

 俺は魔王との戦いの勢いでモリアーナへと向いた。

 モリアーナは俺が魔王との戦闘に勝利して、


「魔王ブラーゼンに勝ったか。勝てるとは思わなかったけど、成長したと思っていいわね。これは驚異的な成長と言えるわね」


「魔王が死んだのだ、あきらめて降参するかい?」


「降参? 私がなぜ降参するのかしら」


 あれ、降参するチャンスをあたえてのに、モリアーナは戦う気満々だな。

 魔王との戦いを見ていたはずだが、バカなのかな。

 俺の予想に反してモリアーナはまるで怯えていないし、何もこの状況に不安感を持っていない気もするのが不自然に思えてきた。

 変だな、この落ち着いた空気感。

 もっと絶望していいはずなのに、なぜかモリアーナは楽観的に見える。


「ロメーロが魔王を倒したぞおおおお!!!!!!」


「魔王が死んだぞ!!!!!!!」


 街の人が魔王が死んだのを見て叫んだ。

 魔王の恐怖から解放された感じで。

 次々に声が上がる。

 魔王が死んだという声が湧きおこり、人々は大喜びする。

 抱き合って喜ぶ姿は、人族が長年に渡ってきて魔王に苦しめられた想いが一気に爆発して解放したのだろう。

 大歓声になっていきアスカとリアンも抱き合う。

 もう戦いは終わった空気になった。

 オリオンもこの場に来て、


「魔王を討伐したのかロメーロ」


「討伐した。魔王は死んでいる」


「本当は俺が魔王を討伐するはずだったが、ロメーロが討伐したとしてやる」


 おいおい、オリオンは見ていただけだろうに、なんでそんなに偉そうにする。

 勇者パーティーが討伐するのが予定されていたと言いたいのだろうが、オリオンたちには無理だったからな。

 すでにモリアーナと戦っていたボーデンとクランクも苦戦しているしな。


「まあ、王都の街の人と冒険者と騎士団は俺が討伐した目撃者だ」


 すると街の声で、


「勇者パーティーは何もしてねええ!」


「勇者パーティーなんて何をしてたんだよ。役に立たねえな! ロメーロがいたから討伐できた!」


「本当に勇者パーティーは強いのかよ、1匹も魔族を討伐してないぞ!!!」


「ううううう、やってやるよ。そこまで言うなら見てろよ街の人。俺がモリアーナを討伐するからよ!」


 オリオンのプライドは高い。

 普通の冒険者の持っているプライドを超えたのを持っていて、俺に負けたくない感情が起きたのだ。

 それでモリアーナに戦いをするとか言い出した。

 オリオンが出てこられても邪魔なんだけどな。

 

「やってみろ勇者なら、勇者らしい戦いを一度は見せてみろよ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ