『24 国王』
『24 国王』
王都のアンデッドの騒ぎは国王の城でも騒ぎだった。
俺達が喜んでいると国王がやってきた。
国王がわざわざ来るとは、珍しいな。
城に居た方が安全だと思うけど。
国王が俺の所に来て、
「魔族は討伐してあると聞いたぞ」
「討伐しましたので安全です」
「城でもパニック状態だった。住民がみんなアンデッドの状態になっていると聞いて、緊急事態となった。オリオン達4人に直ぐに対処するように指示を出した。そしたらロメーロが討伐したか。勇者パーティーなのに報告では街を破壊したというではないか。タイタンを追いやった話は良かったが、これで帳消しだ」
「いいえ国王、俺達はジャミロにアンデッドにされていたのです!」
「アンデッドで暴れたわけか。この役立たずめ! 勇者パーティーがアンデッドになるなど聞いたことないぞ。その点ロメーロは特別に報酬を出すとなる。連日のように魔族が王都に来ている。勲章ものだ」
オリオン達4人は国王に散々怒られる。
周囲の住民達からも失笑が聞こえるほど。
そして俺に勲章をと。
待って欲しいのは、今回もそうだけど俺だけの活躍ではなくて、むしろ仲間の方が貢献では大きい。
それは国王に伝える必要があるな。
「勲章はありがたいですが、俺よりももっと重要な仕事をした人がいます。その人達に勲章をあげてください。それは俺に協力してくれた仲間です」
国王に意見をするのは無礼ではあるけど、どうしても言っておきたかった。
本当に活躍したのは事実だし、知られたい。
国王がどう思うかであるが、勇者パーティーよりは確実に仕事はしていた。
「どこにいるのだ?」
「ここにいます、エルフ国王女のアスカ、大神官リアン。建築師ユンナ、牧畜師ルブラン、木こり師レモン、聖職者エニシャル、農民ダン,
農民ピチュ、採掘師ブルレスカ、鍛冶師フーシフォン、測量師ドゥーラ、カイザール国ナミュール王女です。みんなアンデッドになった住民を救うのに貢献しました。勇者パーティーよりもです。ですのでみんなに勲章をお願いします」
「あはははははは、冒険者でもない奴らが国王から勲章とか聞いたことねえよ。あるわけねえ。勲章は冒険者って決まってんだよ」
「勲章を出す」
「ええええええええええええ! 国王、嘘だろ!!」
オリオンは冒険者でもない人に勲章はないと確信していたらしいが、国王は俺の声を聞いてくれる。
みんなも驚いているようだな。




