『21 伯爵の屋敷』
『21 伯爵の屋敷』
完全に俺は除外されて、勇者パーティーが主役になっているな。
全部俺が器用富豪スキルを付与したからタイタンと戦えたのにまだ気づいていないし。
俺はオリオン達の態度に頭痛がしてくるぞ。
「私は王都から離れた場所に領地を持っているけど、国王にも通じている」
「伯爵、それでは今回の俺達の活躍をぜひとも国王に伝えてください。勇者パーティーは領地を守ったと」
国王にも必死にアピールかよ。
オリオンの欲深さが出てるな。
俺の出る幕ない感じ。
「伝えよう、勇者パーティーが守ったとな」
「私は僧侶ハニーです。領地は本来ならタイタンに占領されて屋敷も潰されていました。それを私達が守った。伯爵は見たところとても資産家のようですね、国王とも繋がるくらいの。さぞかし資産を持っていると思えます。我々もパーティーは資金が要ります。冒険していくうえで軍信金が必要なのは伯爵も理解してくれますよね」
なんだこのハニーの伯爵が金持ち話は。
まるで資産家なので報酬をくれと言わんばかりだな。
よくも言えるな。
ハニーの欲深さもオリオンに匹敵する。
「確かに勇者パーティーとなればダンジョンにも行く。軍資金は必要なのは理解できる。それに領地を守ってくれたので報酬を出したい。私から出すので受け取ってください」
「いいえ、報酬をなんて、私は感謝の言葉だけで」
「受け取ってください」
「ありがとう伯爵」
何が言葉だけだよ、名演技だよな。
報酬をくれって言ってるのと同じだろうに。
報酬が得られて満足しているのなら、俺もこのパーティーに一時期所属していたのが恥ずかしくなる。
伯爵からハニーは報酬を得て話は終わった。
オリオン達は山に行くと言う。
「それでは報酬は有がたくもらいます。もう一度山の方に行きますけど、あくまでも魔族の残党がいないかを調査します。よろしいですか」
「調査を頼む」
去るときにオリオンはリアンと会う。
「なあリアン、俺の活躍を見たか。どう思ったよ、俺のところに戻りたくなっただろ?」
「いいえ、戻りたくはないわよ。絶対にね」
「恥ずかしがるなって」
「見ないでよ」
「わかっているよ俺は。今ので俺の所に戻りたくなった。でもロメーロに裏切られたとなるのが怖いんだな、かわいそうに」
リアンを必死に戻ってこいと言う。
どう見てもリアンは嫌がっているのに、まだ言ってくる。
リアンの顔は嫌悪感でしかないもんな。
勘違いもいいところだが、俺が何か言うとそれみろロメーロに洗脳されているとかいうだけだろうから。




