『20 タイタン』
『20 タイタン』
「タイタンは俺に怖がって逃げた。あはははははは、最強の破滅の団が怖くて逃げたぞ!」
「やったわねオリオン! なんか以前の破滅の団みたいだったよ!」
ハニーは見ていて喜ぶ。
体力も減っているから回復魔法もしていた。
「いやいやこれが本当の破滅の団の実力さ。ちょっと調子が悪かっただけだ。見ただろうロメーロ、破滅の団の強さを?」
「見たよ。逃亡したけどまたいつか来るよ。それよりもさ、気づいているよね?」
あれ、破滅の団の強さをって、気づいてないのか。
器用富豪スキルを付与していたのを。
いやどう考えても気づくよね。
だっていつもと全然違うだろうに。
タイタンと互角以上に渡り合えたのは、まさか自分の実力だと思うのか。
だとしたら自己評価高すぎでしょ。
最近になって下級の魔物に苦戦していたのはオリオンやボーデンが一番わかっているはずだけどな。
「何のこと? 別に俺はいつも通りだが」
「俺も自分の本来の魔法が使えて気分がいいぜ」
「突進がタイタンに通じたのは俺の力だろう。それよりもロメーロが一番だらしないぜ。途中で立てなくなっていた。情けない場面だった。俺らが居なかったら死んでいたぜ」
マジか!
こいつら本当に自分の実力だと思っていた。
鈍感を超えた感覚を持っている。
俺から器用富豪スキルを付与したと言おうか迷ったが言っても無駄な気がした。
この4人には無意味なのかもしれない。
アスカとリアンとドゥーラは無事だったので良かった。
タイタンが暴れていたので、非難はしていたけど被害にあわないか不安があった。
タイタンが去り伯爵の領地に戻った。
オリオン達も一緒に来た。
なぜ来たかはというと伯爵の領地なら挨拶はしたいという。
伯爵にタイタンの件を全て話した。
「屋敷からタイタンは見えた。あんな巨人が領地にいたとは信じられない。よく追い出してくれて感謝しかない。ありがとうロメーロ。本当に助かった」
伯爵はタイタンが逃亡したので安心して俺に感謝した。
ただそこでオリオンが会話に割り込んでくる。
「伯爵、俺は勇者パーティー破滅の団。勇者オリオンです。タイタンを領地から出したので安心してください。追放したのはロメーロではなくて俺達の破滅の団がしましたから」
おいおい自分の手がらかよ。
「なんと! あの破滅の団でオリオンも来てくれたのか。王都からは破滅の団の活躍は聞いていた。勇者パーティーならあの巨人を追放したのは納得です。ありがとう」
「いえいえ、勇者パーティーなので当然のことをしたまでです」




