『05貴族の領地へ』
『05貴族の領地へ』
「広い家だこと」
「私の城程ではないけどね」
「アスカって貴族出身とかなの?」
「ふふふドゥーラは知らないか。私はエルフ国王女である」
「ええええええ! エルフ国王女なの!!」
ドゥーラはアスカが王女だと知り驚く。
そりゃ見た目は普通のエルフだからな。
しかも王女が俺と冒険者すると思わないよな。
よく考えると貴族の資産も凄いが、アスカはもっと資産家なんだよな。
俺とも比較にならないだろう。
屋敷の前に来て護衛が聞いてくる。
「この屋敷には通らせない。あなたは誰ですか?」
「私はドゥーラ。測量師で地図を作りに来ました」
「わかった、通れ」
「どうも」
護衛はドゥーラだとわかると通してくれた。
ドゥーラが来るのを聞いていたのだろう対応だった。
俺のことは知らないので怪しんでいたな。
とにかく屋敷には入れた。
「伯爵、また来ましたドゥーラです」
「キミは地図を作る人だったな。私の領地に異変が起きている。調査をお願いする。突然に山ができたり地形が変化した。調査に護衛がいるなら私の護衛を貸すが」
「護衛なら我々がします。冒険者をしていますので大丈夫ですが魔物はみたことはありますか?」
「魔物は周辺に数多くいる。護衛を置いているので屋敷は安全だ。キミ達冒険者がいるなら安心だ、頼む」
屋敷の持ち主である伯爵と会った。
屋敷の中は豪華な椅子やテーブルがあり、上流階級らしい雰囲気。
伯爵は中高年で紳士な人だった。
領地に異常があるのを見てくれと言った。
ドゥーラと一緒に領地内を見に行くと決まったので、屋敷から出る。
魔物もけっこう出現するとか。
「伯爵からの依頼です。領地内を調査して欲しいとのことですから、見に行きましょう」
「護衛を貸してくれると言うくらいだ。魔物はいるのだろうからドゥーラは控えていていいよ。ロメーロがいる」
「はいお願い」
そこから地図で異変がある地域へと瞬間移動スキルを使った。
山の近くに移動。
ここは屋敷から少し離れた場所。
平原があるし山もある。
けっこう大きな山が何個かあるな。
見た感じは異常は感じないが、何が変なのかと思う。
「地図ではこの変がおかしいな。こんな山は地図にないのよね」
「私は地図がさっぱり読めません」
「アスカは地図が苦手か。細かいのが苦手な性格っぽいな」
「そんなあ~。ロメーロ様は私のことをそうな風に見てたの。そういうロメーロ様は地図を見て、どこがおかしいのか言ってくださいよ」
「俺も読めない」
「読めないの!!」




