『01 魔王』
『01 魔王』
魔族国の奥深くの森。
魔王の側近モリアーナが来ていた。
その森は魔族ですらあまり来ない地域で、魔素が濃いことから危険な魔物も多く住む。
モリアーナが来たのは魔族に会いに来たから。
なぜこんな森の奥にまで来たのかというと理由がある。
オーガインが負けて次のを探して来た。
ロメーロに対抗できるのを。
「タイタンいるか?」
「誰だ、俺の名前を呼ぶのは。おおっと、モリアーナだったか。なぜ俺を探す」
タイタンは返答する。
「魔王様の為に戦いなさい。これは私の命令です。いつまでも森の奥にいないで」
「人族と戦いか。いいだろう、モリアーナが誘うなら。俺が人族の国に行ってやろう」
「敵の人族はロメーロひとり。すでにオークキング、イフリートス、グリフォンも討伐されている。魔王様とも戦える男です。怖いなら命令しませんが」
「怖い? 俺が人族に怖がったことがあるか。面白い。ロメーロという奴は俺が倒してやろう。別に魔王のためではない。俺の興味だ」
タイタンは姿は見せる。
モリアーナの前にある森が動き出すと森が立ち上がった。
タイタンは超巨大な大型魔族だった。
歩く森と言われた。
立ち上がるのは久しぶりだった。
タイタンとモリアーナがいるところに別の魔族も来ていた。
モリアーナに対して、
「モリアーナに言いたいことがある」
「なんでしょう?」
「副官ゼノ様が行方不明だ」
「さ、私は知りませんけど」
自分が殺したとは言わない。
「タイタンを人族のエピック国に送るのだろ。俺達が先だ。俺達が行く」
5人の魔族でモリアーナに言ってきた。
内容は先にエピック国に行かせろということ。
「あなた達5人でタイタンよりも役に立つのならいいですが」
「役に立つさ。俺達5人はイフリートス様の直属の軍団。イフリートス様がやられたなら俺達が行く権利がある。タイタンなどどうでもいいだろう。どうせ森の奥にいたのは怖いからだ。怖くて長い間こもっていたんだ。弱虫巨人さ、へへへへ」
5人はイフリートスの軍団。
タイタンを完全にバカにしていた。
タイタンの前で中傷する。
言われたタイタンは黙っていて何も言わない。
「わかったわ。タイタンに勝てるならあなた達が行きなさい、勝てるなら」
「わかったぜ、魔王軍将軍であったイフリートス様の軍団の強さを見せてやろうぜ!!」
「タイタンなんて怖くもねえええ!!」
5人はモリアーナに許可をもらうと、攻撃を開始する。
超巨人相手に挑むけど、弱虫だから恐怖感はなかった。
「イフリートスの軍団か。あいつは死んだのか。あははは弱虫はあいつの方だろう」
「タイタンが出る必要はありません。我々が出ます」
タイタンの横から出てきたのはタイタンの軍団5人だった。
タイタンの直属軍であり、姿は大型の魔族。
タイタンよりは小さいが、それでも普通に大型で剣も届かない。
タイタンの軍団がでるのでタイタンは足を止めた。
軍団対軍団の戦いになる。
勝負は一撃でつく。
タイタン軍が圧勝だった。
「うううう、強い。こんなに強いとは、巨人め」
「ふふふ我々は魔族であり巨人族である。そして俺がタイタンだ。イフリートスなどと一緒にするな、小物がああ!!」
「うわああああああああ!!」
イフリートスの軍団5人は生きているが勝負はついて負けは確定していた。
確定していてもタイタンは構わずに5人を足で踏みつぶした。
5人は潰されてしまい、死んでしまう。
タイタンからしたら虫を踏んだくらいの感じに過ぎなかった。
戦闘を見ていたモリアーナは笑みを浮かべる。
タイタンならロメーロを殺せると確信した。
魔族国ではロメーロの強さが又も知られることになった。
オーガインが討伐されたというのが広まった為だ。
魔王軍の大軍の敗北に続き、またもロメーロの勝利。
魔王ブラーゼンは玉座に座ってモリアーナといた。
魔王城に入れる魔族は限られている。
モリアーナはその一人。
副官ゼノの抹殺をした。
現状は魔王ブラーゼンの一番の側近となった。
「モリアーナ、ゼノは始末したのだな」
「はい魔王ブラーゼン様のために役に立たないゼノは始末しました」
「魔族をエピック国に送り込んだらしいな」
「オーガインという魔族ですが失敗でした。ロメーロにまるで完敗です。申し訳ありません」
「オーガインでダメか。それなら別の魔族を送り込め。魔王軍から選べ」
魔王は次に送る魔族をモリアーナに選ばせていた。
モリアーナはすでに決めていた。
魔王軍の中から選りすぐった魔族を選択した。
名前はタイタン。
その名を知れば魔王軍でも引いてしまうほどの魔族だった。
モリアーナは魔王に名前を言う。
「タイタンを呼びました」
「タイタン? あいつが動くと?」
「はい、私が直接タイタンの所に行ってきて話をつけ向かわせました。ロメーロを完全に始末させます」
モリアーナと魔王は城で勝利を確信した。
タイタンは魔王が一目置くほどに強い。
魔王軍将軍になれる実力があった。
イフリートスをも超える存在だったのに、将軍になるのを拒んでいて森の奥に住んでいた。
タイタンは性格が歪んでいて、魔王軍には入らない性格。
団体行動が好きではなかったのが影響しているけども、モリアーナに言われて行動するとなった。
モリアーナは古くから知る仲だった。
ロメーロがいるエピック国に向かう。




