『24 草を成長させる』
『24 草を成長させる』
「確かにこのままだと牛は食べられませんね。ロメーロのスキルを使うのでしょ。以前に見せたスキルで?」
「リアンが見たのは植物繁殖1000倍スキルだな。このスキルは植物を急激に繁殖させるのができるスキル。スキルをピチュに付与する」
「私に付与ですね、わかりました。付与して」
ピチュは嫌がることなく付与を希望する。
完全に器用富豪スキルに抵抗がないようで、積極的に付与を。
気が付くと器用富豪スキルを付与する数が増えていくけど、俺の負担は増える。
付与をした、
ピチュがスキルを使いこなせるかはピチュ次第だな。
俺はピチュに付与が終わった合図を送る。
たった今、ピチュによって植えられた牧草地。
植えた根っこを成長させるのが、植物繁殖1000倍スキルである。
ピチュはスキルを使う。
植えた土に向かって使った。
「植物繁殖1000倍スキルを!」
するとスキルを使った瞬間に変化が起きた。
さっそくか!
わかってはいたけど、土が変化していき土から草がニョキニョキと出てくる。
通常の自然の法則では絶対にあり得ない成長速度。
「あわああああああああ、本当に出たああああああ。やっぱりロメーロのスキルは規格外です」
「ルブラン、良かったね。これで牛の食事も安心よ」
「うん、牛を牧草地に入れます。入りなさい~~」
喜ぶルブラン。
一気に成長する草で牛を向かい入れる。
牛はやっと牧草地に入れるとばかりに牧草地に。
草をむさぼるように食べる。
お腹が空いていたのかな。
「暴れたからお腹が空いていたかもね、すっごい勢いで草を食べてる」
「初めて見たわ。こんな勢いで草を食べるのは。いつもの草の味と違うのかしら。でも良かったです」
「これで牛と牧草地は大丈夫だな」
「まだ安心できませんよロメーロ様。牧草地の周囲の柵が壊れていますよね。これだと牛が外に出れます。柵を作って出れないようにしないと」
アスカが俺に言ったのを見ると、確かに柵が壊されている。
強引に突き破った感じで。
これは凶暴化した際に突き破ったのだろうな。
現状は修復する必要がある。
でも俺は想定している範囲内であった。
なぜなら農民2人ともう一人ユンナも呼んでいるからだ。
彼女は建築師として王都の再建に最大の成果をあげた一人。
心強い仲間が来てくれたので紹介する。




