『19 魔獣化した』
『19 魔獣化した』
いきなり俺をぶん殴ってきた。
おいおい話力全開だな。
魔獣って感じだ。
攻撃力はあるのをはかってやろう。
聖剣レーヴァテインで防御する。
どれくらいの衝撃があるかはかる。
「ええええ???」
「どうした魔獣さん。俺をぶん殴るのだろう。早く殴れよ」
がっちりと聖剣レーヴァテインで受け止めた。
手にはずっしりと重さがあるけど、受け止めたらオーガインは動きが停止する。
「もっとぶん殴ってやるううううう!!!!」
「どうした。それで終わりか。魔獣になったのは失敗だな」
連打してくるも器用富豪スキルと聖剣レーヴァテインには通用しない。
通用しないのをもっと早く気づくべきだったな。
実力のある魔族なら早めに気づいたと思う。
やっと気づくあたりは、まだまだ最高の魔族にはほど遠いか。
魔王軍で出世もむりそうだが、今さら遅い。
「魔獣化したら元の状態の100倍の強さになっているのだぞ。あり得ないぞ!」
「100倍か。残念だが俺は1000倍だ。防御力も攻撃力も速度もな。100倍では足りなかったな」
100倍と1000倍では圧倒的な差がある。
オーガインは100倍になれるのはいいけど、相手が俺だったのが不運だった。
俺意外なら良かったのにと思うけど、もう遅い。
「1000倍!!! どんな魔法だよ!」
「魔法じゃない。器用富豪スキルだ。スキルで1000倍にできる。魔獣化したのは最悪の作戦だな。なぜなら大きくなればなるほど俺の剣が当たりやすい。剣が当たれば俺の勝ちが決まったようなものだ」
俺にとって有利になったのは相手の的が大きくなった点だ。
大きいのは一見すると強さそうに思えるけど、器用富豪スキルと聖剣レーヴァテインのコンビには最悪である。
なぜなら当たるのは、死ぬことを意味する。
防御は効果は無意味だ。
圧倒的な攻撃力でどんな皮膚や鎧を破壊する。
魔獣化したオーガインの腕、肩、喉、腹、胸板を連続で切る。
相手が大きいと、めっちゃ当たりやすいな。
がやあああああああああ!
オーガインは絶叫して、倒れる。
「ががあががががががが、失敗だった。魔獣化しなければ良かったあああ」
「初めに言ってあげるべきだったか」
そう言ってあげるもオーガインは絶命していたので聞こえていたかわからない。
魔獣化した体はみるみるうちに、小さくなってしまうと元の大きさになる。
オーガインを討伐した。
討伐するとルブランの声が聞こえた。
「牛が戻りました! 見てください」




