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『アスカを追いかける』

『アスカを追いかける』


 アスカが連れ出されてしまったので、俺とリアンは追いかける。

 大丈夫だとは思うが、放置するのも可愛そうである。

 街は大混乱になっていた。

 王都の街でもなかった騒ぎ。

 人々は怖って逃げるしかないので、家の中に入る人、買い物中の人もいた。

 追いかけている最中だった。

 俺の前に4人が現れる。

 オリオンだった。


「なんだこの牛の騒ぎは、牛の祭りか?」


「祭りではないな。暴走したんだ牛が」


「牛が暴走だって? ふん、どうでもいいことだな。せいぜいロメーロが頑張れよ。俺達が出ることじゃねえな」


 オリオンは単なる牛の暴走だとわかり、興味がない感じだった。

 おいおいもっと興味をもてよな。

 街の人が混乱して困っているのが見えるだろう。

 それを祭りかとは、のん気すぎる。

 それでも勇者か。

 しかも俺に任せる気か。

 魔族が関わっているのと教えてやろう。


「祭りではないが、魔族が関わっているな。このままでは大変だぞ」


「なに? 魔族が関わっているだと。嘘だろうどうせ、俺はだまされないぜ。そうやってリアンをだましているのだろ」


「私はだまされていません。自分で見てみなさい、牛は異常ですし、街の人はロメーロに期待しています」


 リアンが言い返した。

 オリオンに言われて気にさわったのだ。

 オリオンは状況を大したことないと思っているが街の人が俺に声援をする。


「ロメーロ、ロメーロ、ロメーロ!」


「ロメーロなら捕まえてくれるさ、頑張れロメーロ!」


 俺への大きな声援。

 オリオンには勇者なのに、誰も応援しないし期待もされていないのはわかる。

 勇者として誇りがあるオリオンは、この状況を見て、


「ロメーロばかり応援しやがって。なんで俺には応援がないのだ」


「俺にもない。賢者だぞ」


「俺は最強の盾だぞ」


「3人とも街の人は無視している。僧侶の私は別として。3人は眼中になくてロメーロに期待しているわ」


「おいハニー、俺たちがロメーロに人気で劣っていると言いたいのかよ。同じ破滅の団として今の発言はどうなんだ」


「だって、王都の街では圧倒的にロメーロが人気よ。この反応見たらわかるでしょう。ロメーロが先に牛を捕まえる前に私らで捕まえるしかないわよ、そうすれば人気は奪える」


「ハニーの言う通りだ、俺たちが先に捕まえるぞ!」


 ハニーの提案で俺よりも先に牛を捕まえると決めたらしい。

 さっきまでやる気なかったオリオン達はやる気に満ちている。

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