『副官ゼノに処罰』
『副官ゼノに処罰』
魔王ブラーゼンは魔族国にいた。
エピック国と魔族国を魔法陣を作り、魔王軍を送り込んだ。
ここまで魔族を送り込んでも全てロメーロに阻まれてきて失敗に終わってきたのは魔王ブラーゼンも聞いていた。
ロメーロを恨んでいるし、憎き存在であった。
魔王軍を編成して送り込む際に、偶然だが勇者パーティーが魔法陣で魔族国に来たので、将軍職にした。
魔族から不満があるのは承知だったけど、勇者パーティーがロメーロと戦った時に、ロメーロの弱点を知っているのを見たかった。
ロメーロが強かったのは戦った魔王が一番わかっている。
弱点を知れれば戦う際に圧倒的に有利であるから、勇者パーティーに戦うようにさせた。
魔王が予想していなかったが、魔法陣にロメーロは気づいた。
魔法陣で魔王軍を送り込んで、すぐにロメーロと魔王軍が激突したのはいいとして戦闘になった。
ロメーロの強さは予想を超えており、以前に戦ったときよりも強くなっていたのは気がかり。
情報では聖剣レーヴァテインを入手したのも厄介だ。
魔王としては、過去に魔王が聖剣レーヴァテインで討伐された歴史があるからだった。
ロメーロの弱点を知りたいし、知る必要があるのに勇者パーティーはだらしない。
オリオンやらは将軍として戦う前に部下の魔族から反乱を受けてしまう。
しかも魔王軍ごときにオリオンは苦戦していたので勇者パーティーの強さが弱いのはあらためて知る。
過去に勇者パーティーが過去の魔王と激闘をしてきた話と食い違っている。
結局は勇者パーティーは役に立たなかったし、そのまま魔王軍もロメーロに敗北した。
最も役に立たないのは勇者パーティー以上に副官ゼノ。
今回の魔王軍の指揮官を命じたが、結果は敗北であったのは許せないと思う。
ロメーロに完敗したまま、魔王軍の残党とともに魔族国に帰還した。
魔王ブラーゼンはゼノに対して失望していた。
そこでモリアーナを呼んだ。
モリアーナは女魔族であり魔王の側近。
「魔王様、モリアーナです」
「モリアーナに命じる。副官ゼノは失望した。処罰せよ、好きにしていい」
「はい、ゼノは副官となっているのに魔王ブラーゼン様の作戦を失敗した。大敗です。魔王軍の多くを失いました。これは責任を取らせるべきです。私が粛清します」
モリアーナは魔王ブラーゼンにゼノの処罰を命じられる。
何も知らずに副官ゼノは魔王軍とともに魔王城へと来る。
しかし入城はできない。
ゼノは止められた。
「副官ゼノ、魔王城には入れませんわよ」
「なぜだ、きさまはモリアーナ?」
「私がこうして来たのは理解できるでしょう。あなたはブラーゼン様の作戦に失敗した。怒っているのです。許せませんね」
「待て、何を言っているんだ。魔王ブラーゼン様に会わせろ。話をさせろ」
副官ゼノはモリアーナが出てきてあせる。
モリアーナが自分の前に現れることはなかったが、現れたとなると恐怖だった。
恐怖心がゼノに迫る。
魔王がゼノを処罰させるために呼んだのだと推察する。
ゼノは顔面が蒼白となった。




