『森で激闘』
『森で激闘』
俺がオリオンに指摘したらさっそく起こった。
「新しく魔王軍の将軍になったが弱いぜ。本当に将軍なのかよ。俺の方が強いんじゃないか」
「ゼノ様は将軍だと言っているけど、今のを見ると将軍にはほど遠いぞ。怪しいぜ!」
魔族から不満の声が起きる。
最初は偉そうに将軍ぶっていたけど、すぐにボロがでたな。
俺は初めからオリオン達はボロが出ると思っていたけど。
どう考えてもイフリートスのレベルではないからな。
4人がまとめて戦ってもイフリートスには足元にも及ばないのだ。
ここに来た魔族の方が遥かに強い。
今の火魔法と風魔法の竜巻がそれを証明している。
オリオン達は魔王軍の中では真ん中くらいだろうな。
それだと不満が出るのは当然だが、どうして魔王はオリオン達を将軍にしたのかが不可解だな。
理由は他にあるのか、魔王にしかわからない。
俺が魔王なら絶対に将軍にはしないが。
「黙れ魔族ども!! 俺は魔王軍将軍であるオリオン。俺への不満や文句は許さない。今後は処罰するぞ」
「やってみろよ、俺を処罰できるならよ。オリオン将軍、俺と勝負しろよ」
「バカを言うな!! 敵はロメーロだ。将軍に勝負は必要ない」
いきなり部下の魔族に決闘を申し込まれているな。
将軍である限りは強くないと部下は従わないのは人族の軍隊でも同じだろう。
オリオン程度が将軍にいても部下はついてこれなくなる。
困ったのはオリオン。
部下からの信頼が揺らいできているな。
強さを誇示しないとダメでしょ。
「イフリートスなら、ここで従わない部下は潰している。オリオンも部下に制裁したらいい」
「ううううう、うるさいぞロメーロ。俺に注文するな」
「注文じゃないよ。オリオンのために言っている。このままだと部下の魔族に殺されるだろう。だから心配して言ったんだよ」
「俺が魔族に殺されるだと?」
「もう信頼を失っているのがわからないのか。その意味を考えろよ」
「意味とはなんだ。将軍にいるかぎり部下の魔族は従うのが常識だ。命令は絶対だ」
「はたしてそうかな、俺はそうは思わないけどな。逆にオリオンを殺せば自分が将軍になれると考えるのがいても不思議はない。強さが全てに優先される魔王軍なら、将軍を殺せば自分が将軍になれる世界だよな」
「嘘だろ? そんなわけないよな。将軍の逆らえば他の魔族が許さない。ボコボコにされるはずだ」




