『50話 ギルドに5』
『50話 ギルドに5』
エルフ国アスカが魔族に連れて行かれた事件はギルドにも届き、依頼となっていて、冒険者も依頼をみていたようであった。
犠牲者になったAランク冒険者のイカットは依頼を見て行ったのだろうか。
その可能性は少ないか。
あそこにアスカがいるのは、知りようがないとは思う。
彼の事も伝えなければならないのが辛いとして、犠牲者が一人で済んだのは、良かったと思うべきな強さではあった。
「あ、あのエルフ皇女でしたか、すみませんでした、そしたらエルフ国に帰るのですよね。エルフの国王もさぞかし心配していますからね、早く帰るといいです」
「またか! ロメーロ様と私を引き離す気か!」
「いい、いい、いいえ、そんなつもりはありません!」
「じゃあどういうつもり!」
「違います、アスカ皇女の国王が」
なぜかアスカは受付嬢に対抗意識があるようで、一緒にいる俺も悪いなと思うが、アスカを止める方法が思いつかないのだった。
受付嬢はアスカのためを思って言っているのに、アスカは受付嬢に対抗しているのだから、話が食い違うだけだ。
俺から謝罪するしかないだろうが、俺が謝罪すると、また何か言うかもしれないから、何もしないほうがいい。
「わかった、アスカ、俺といたらいい。アスカだけ国に帰すのはしない」
「ロメーロ様、アスカ嬉しいです!」
「それならいい」
とりあえずアスカには安心させようとしたら、直ぐに笑顔になった。
切り替えが早いな。
エルフ族はみんなこの性格なのだろうかと思ったのは俺だけか。
エルフ族はどこにでも居るので、カイザール国にもいるだろう。
このギルドにも登録はあるはずだ。
「ロメーロ、それではアスカ皇女がいたのを救出したのがグールマスターやオークジェネラルの魔石ということ?」
「そうだな、始めから話そう。俺はAランク冒険者が行方不明者と王都で聞いたのだ。何もすることなかった俺は、それならとAランク冒険者の行ったと思われるダンジョンに向かった。そのダンジョンは未調査のダンジョンだった」
「未調査のダンジョンが王都の近くに。変ですね。王都付近なら直ぐに騎士団かギルドの調査依頼が調査します」
「きっとグールマスターが作ったのだな。グールマスターがダンジョン奥にいた。オークジェネラルやオークキングを従えていたからな。そしてグールは勇者パーティーにいる大神官が目当て。大神官を食すのが目的であった。それでアスカはダンジョンに連れて行かれた」
「なぜ大神官を食すのでしょう、アンデッドだからかな?」
受付嬢は混乱していたのは仕方ないくて、あのバカなグールマスターが変な考えを起こすからだ。
それを理解できる方に無理があるのだから、俺は怒りでグールをボコボコにして死なせた。
「グールは老いていた。まあアンデッドに老いとかあるのかとなるが、グールは老いていた自分を若くさせたくて、そのために大神官が必要だったのだ。それで勇者パーティーを誘うために、エルフ国皇女を誘拐した。そうすれば勇者パーティーにも依頼が行くだろうし、それを待っていた。つまりはアスカは大神官を食すための罠だった。大神官をオークキングに差し出したら、アスカも次に差し出されただろうな」
「ぎゃあ、最悪」
「そんな、グールは若くなりたいだけでアスカ皇女を誘拐して、オークジェネラルらをダンジョンに配置したと。それだけで我が国は滅ぼす戦力があるのに、恐ろしい」
俺の説明に受付嬢は騒然となり、周囲の冒険者は衝撃からか沈黙だった。
沈黙の理由は、もし冒険者が依頼を受けてアスカを探しに行ったら、最悪グールマスターに遭遇していたからだ。
グールマスターは冒険を沈黙させるのに十分な化け物だった。
「ロメーロ様はグールマスターも倒して私を誘拐犯から救ってくれたのです。私はロメーロ様に忠誠して一緒に行動する。おわかり?」
「はあ、わかりました」
受付嬢は納得して返事をしたが、本当に納得したかというと、俺から見たら納得してないと思う。




