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『勇者パーティー』

『勇者パーティー』


「魔族大陸!! 魔王ブラーゼンがいる国です。どうすんのよ魔王ブラーゼンが来たら!!」


「落ち着けハニー」


「これが落ちついていられますか。魔王と遭遇したら終わりよ」


 魔王ブラーゼンがいる国であると聞いて混乱するハニー。

 震えているのが周りにも伝わる。

 オリオンだって魔王ブラーゼンがいるとすれば恐怖である。

 ただごとではないけど、どうやってここから抜け出せるかだ。


「どうすんだ。エピック国に帰れないのかよ、ヤバいぞ。魔物だっているだろう」


「慌てるなクランク。魔法陣で帰れるさ。俺は賢者だ。魔法陣については世界一詳しい。魔法陣の性質も知っている」


「本当かよ。どうしたらいいのか言ってくれ」


「簡単さ。魔法陣は空間移動、転移できる魔法陣だと思う。この魔法陣の影響でエピック国から魔族大陸かもしれない場所に来た。それなら逆にもう一度魔法陣に入ればエピック国に戻れる」


 ボーデンは魔法陣についてずっと研究していたのは本当である。

 魔法の知識もエピック国一とも言われる。

 オリオンに自慢するように言った。


「さすが~~~!」


「なるほど!! また魔法陣に入ればいいのか」


「入ります、大賢者、よく思いついた!!」


 ハニーも大賛成だった。

 さすが大賢者だとボーデンを讃える。

 褒められたボーデンはいっそう自信を持った。

 このパーティーには俺が必要だなと。


「よし、もう一度魔法陣に入るぞ!」


 オリオンが再び魔法陣に入ろうとした。

 その時にオリオンには最も最悪のタイミングで再開となる。

 魔王ブラーゼンが来たからだった。


「そこの人族、待て」


「お、お、お、お前は魔王ブラーゼン!!!」


「魔王!!!!!」


「やっぱり魔族大陸だったんだわ!!」


「どこかで見た顔だな?」


「ブラーゼン様。この者達は勇者パーティーです。エピック国にて出会ったオリオン達です」


「思い出した、俺がエピック国に攻め入った時にいた最弱の勇者パーティーか。何しに魔族大陸に来たのだ。まさか俺を討伐に来たのか?」


 現れた魔王ブラーゼン。

 それに副官ゼノもいるし、その他にも魔王軍が揃っている。

 これは魔王軍をエピック国に送り込む戦略だからだ。

 大軍だった。

 オリオン達は、魔王と魔王軍を見て足が動かない。

 魔法陣に入れば戻れるのだが、足が動かないので入れないのだった。

 

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