『48話 ギルドに3』
『48話 ギルドに3』
俺の中では受付嬢は、常に冒険者の窓口であるわけで、このレベルの魔物には慣れているかと思っていたが違った。
オークダークはともかく、オークジェネラルは魔王軍将軍であるので、相当にヤバい魔物だったようだ。
そこらへんの情報に関しては、俺は網羅しているわけではないので、倒せるのは倒せても、その魔物がどの程度の危険度かは、実のところは受付嬢の方が詳しい。
わからないまま倒して、後は受付嬢に引き渡せばいいと、考えているのは、今後も一緒なのであって、どんな魔物が来ようと俺のスキルの前にはFランクだってことだ。
俺にとっては勇者オリオンとパーティーを組んでいた時には、魔王との戦いはまだ先だったからで、魔王クラスの奴らは、未知なのである。
オークジェネラルや、グールマスター並のが今後も出てこられると俺も困ることはないが、受付嬢は慌てるわけだ。
まあ、そう簡単には、このレベルの魔物が現れる可能性は無いに等しいので、心配しすぎか。
「ほ、報酬は支払いますが、ロメーロは、どうやってオークジェネラルを倒したのですか。我が国の最強のパーティーでも勝てるかどうかの魔物を3匹も倒したのですから、普通じゃない強さです。オークダークはレベル308ですとBランクにあたります。オークジェネラルはレベル776ですとAランクです!」
「ああ、オークジェネラルだろ、どうやって倒したか、えっと忘れたな。いちいち覚えていない。瞬殺だったような気もするが、悪いけど」
「覚えてない? 瞬殺? めちゃくちゃ凄いです。ロメーロが我がギルドでも最強クラスなのはわかりました。報酬を支払いますので、お、お、お、お待ちを」
「あっちょっと待て、他にも魔石はまだある。ほら」
神の袋スキルからグールマスターの魔石を取り出して渡す。
オークジェネラルでこの様なので、グールマスターでは、どうなるのか、考えても仕方ないから、考えるのはやめる。
俺は考えても仕方ないことは深く考えないようにしているからで、そのほうが上手くいくからだ。
あまり深く考え過ぎて失敗することもあったし、性格的にそれがあっている。
「ええっ、今度は2つの魔石ですか、鑑定しますが、先程よりも恐ろしい魔力を帯びているのが伝わります」
受付嬢は2つの魔石を鑑定した。
しかしその手は震えている。
いつも仕事で鑑定している受付嬢でさえ震える魔石。
もう一つオークキングの魔石がある。
もうこれ以上の驚きは受付嬢に悪い気がしたからで、別に報酬ならもう十分生活できる金は入るからだ。
たぶん一生暮らせる金額は入る。
「な、な、な、な、な、な、な、な、なんですか、この魔石はあああああああああああああああああ!」
「やっぱりか」
「グールマスター! それにオークキング!!」
「説明は省く。もう報酬だけくれ」
「いやいやいやいや、省かないでください、グールマスターと言ったら、オークジェネラルよりも危険種と言われているアンデッド魔物。それがなんで王都の近くにいたのですか?」
「アンデッドだからだろうな。オークキングはレベル912だった。グールマスターのレベルは1263だった」
「はあ?」
受付嬢は俺の説明では理解できない反応だった。




