『聖剣レーヴァテインが話す』
『聖剣レーヴァテインが話す』
「なんだってー! ロメーロのお古の剣を俺は聖剣レーヴァテインだと思って喜んだってのか」
「そうなる」
「証拠を見せろおおおお」
証拠って言われても、戦って切られればわかるだろうが、切られたくはないよな。
「私を疑うのは止めろ。私が聖剣レーヴァテインだ。オリオンに言うが私を見て聖剣だと思わないなら素質はないぞ」
「げえっ!! 剣が話すのかよ。マジで聖剣レーヴァテインか」
「やっと理解したか」
「偽物だったから折れたのかあああああああああああああああ」
完全に怒っている。
説明しないで黙っていた方が良かったかな。
それがオリオンのためなら黙るのもありだったけど、いずれはバレるだろうからな。
ただ怒ってしまい余計にこの場をどうやって鎮めるかが問題だ。
まさかオリオンを殺すわけにはいかないので、レーヴァテインで軽傷であきらめてくれたら理想ではある。
だけどそうはならない感じだ。
オリオンは魔法を放ってくる。
「聖剣レーヴァテインだろうが関係ない、ロメーロから聖剣レーヴァテインを奪ってやろう、ファイアボール!!」
「笑わせるな。その程度の魔法で私を奪えるかよ」
レーヴァテインが失笑した感じだった。
ファイアボールがレーヴァテインに当たる。
普通の剣ならダメージはある。
しかし聖剣レーヴァテインであるから、受けてそれを弾ける。
ファイアボールを弾き返したところ、オリオンにファイアボールが飛んで行った。
どうするよオリオン、自分の放ったファイアボールが跳ね返って来るのをどうやって防御するかな。
「跳ね返すのかよ! 俺のファイアボールが飛んでくるなああああああああああああ、熱いいいいいいいいいいいい」
「世話ないな、自分の火魔法で火傷するのは」
オリオンは自分の火魔法を受けて、大ダメージだった。
防御もろくにしてなくて、跳ね返ってくるのを想定していなかったのだ。
その時点で甘いし、聖剣レーヴァテインの能力を低く見過ぎたな。
最強の剣ならば、これくらいはできるのさ。
「うううううう、本物の聖剣レーヴァテインじゃないとできない。本物だったか」
「だから私が忠告したのにな。バカな勇者だ」
オリオンはダメージと火傷で倒れたまま動けはしない。
動くのは無理だろうな。
確実にヒットしたから、これ以上の戦闘は無意味なのはオリオンもわかるだろう。
撤退するか、国王に謝罪するしかないよな。




