『勇者パーティー』
『勇者パーティー』
聖なる泉に到着した。
森ではロメーロの姿は見えないが、帰ったと思われる。
オリオンよりも先に瞬間移動したのは見たので。
途中でジャッカルに遭遇したが、集団で襲ってきて苦戦した。
片手が闘技場の壁を殴ってケガをしたのを回復薬で回復したものの、ジャッカルは数が多かったので、オリオンは苦戦した。
回復魔法はハニーに任せる。
今回はハニーは魔法はしてくれた。
それでも中級以下の初級のヒールしか使えないが。
ジャッカルを討伐してから泉に到着。
「泉だ。やっと見つけたぞ。ロメーロの姿もないな」
「ロメーロ達がいない。もう水を持って帰ったということね。泉にいるとされる魔族も討伐してくれたのね、ありがと、これで楽に水を入れて帰れます」
ハニーはにやけて言った。
ハニーの中では聖なる水は金にしか見えない。
金が泉に湧いていると。
ハニーは冒険に行かない時は美容にお金を使っていた。
王都にある美容を施術してくれる店に通った。
貴族も通う店で、その分料金も高い。
希少な薬草を使っていたからで効果はあった。
だがロメーロがいなくなり、報酬が減ったので施術はできなくなったのをロメーロに対する憎しみになっていた。
金に目がくらんでいるのはハニーだけではなくてクランクもだった。
泉を見た瞬間に豪遊生活が頭に浮かぶ。
以前は破滅の団は裕福だった。
ロメーロがいて高ランクのダンジョンにも行けたのがあり、報酬は高額だった。
ロメーロがいたからこそ、豪遊したら、好きな高級料理を食いまくったクランク。
ロメーロを追放してから生活は貧乏になっていた。
美味い飯は減ってしまい、食べたい物も食べられない状態にまで落ちた。
破滅の団はオリオンを筆頭に日に日に落ちていた。
この水が金に見えたのは当然だった。
「さああ、金を、いや、水を入れようぜ」
「あはははははは、普通の水にしか見えないが金になるんだわ、ありがとうロメーロ!」
「瓶に入れるぞおおおおおおおお!」
喜んで水を入れる破滅の団の4人。
ロメーロが泉にいる魔族ニンフを討伐したと思いこんでいたのだが、ニンフは生きている。
ロメーロ達には何もしなかっただけで戦闘もしていないのを、オリオンは知らない。
瓶に水を入れようとした時。
「待ちなさい、水を入れるのはやめなさい」
「誰だお前は!!」
「魔族か、死んでないのかよ!」




