『47話 ギルドに2』
『47話 ギルドに2』
神の袋からオークの魔石を出すと、受付嬢の前に提出するも、複数あるし、まがまがしい魔力からか、普通の魔石とは違う空気を感じたらしい。
受付嬢の様子が変だったが、俺は何事もなく提出する。
「その前にお名前を?」
「ロメーロだ」
「ロメーロですね、10個あります。かなりの魔物でしょう」
「お願いする」
通常は受付嬢が魔石の鑑定をするもので、鑑定するスキルは技術を学んであるので、問題なく鑑定する。
鑑定できないと、仕事にならないのもあるからだ。
「はい、鑑定します。お待ちを」
受付嬢は魔石に鑑定スキルをするのをアスカはじっと見ていた。
冒険者なら見ているが、皇女だけに、魔物の戦いクエスト依頼をしたことがないだろう。
アスカが戦闘経験があるかも俺は聞いていないし、まあ、なければないで、別に無理に戦う必要はなくて、俺が戦えばいいことだからな。
「これはオーク10匹の魔石ですね。よくお二人でオーク10匹を倒せたものです。素晴らしい、報酬をお出しします!」
オークの魔石 × 10
オークの牙 × 10
オークの皮 × 10
オークの喉 × 10
オークの爪 × 10
「まだだ、魔石はまだある。ほら」
オーク10匹分の魔石と素材を鑑定してもらう。
ここは問題なかった。
一度に出すには多いから分けて出すことにした。
神の袋スキルはどんな大量の魔石や素材も、収納できて、取り出せる。
正確には把握していないが、無限に近い容量は収納できそうで、今までもいっぱいになったことはない。
上級アイテムボックスを持つ人はレアな存在と聞く。
それだけ上級になると容量が増えて、一度に大量に運べる。
ダンジョンに行く際には、回復薬や魔石も持ち切れなくなるので、一人でもいると貴重なのだ。
しかし俺の神の袋はその上級アイテムボックスを遥かに超えた容量をほこる。
上級アイテムボックスが初級と同じになるくらいにだ。
最初は初級アイテムボックスだったが、進化して神の袋へと至った。
容量に制限がある初級アイテムボックスは、直ぐに荷物がいっぱいになっていたので、使い勝手では不満があった。
冒険者パーティーではアイテムボックスは、貴重がられるが、俺のは初級のままで、あまり多くは持てなかったので、オリオン達の荷物を全部は持てなかった。
最初にオーク10匹の魔石を出して鑑定された。
次には、オークダーク5匹、
オークダークの魔石 × 5
オークダークの牙 × 5
オークダークの皮 × 5
オークダークの喉 × 5
オークダークの爪 × 5
オークジェネラル3匹分の魔石を出す。
オークジェネラルの魔石 × 3
オークジェネラルの牙 × 3
オークジェネラルの皮 × 3
オークジェネラルの喉 × 3
オークジェネラルの爪 × 3
8個の魔石を提出すると鑑定を始める。
オークとは違い、レアな魔石と素材だから、受付嬢はどういう反応するかな。
「まだ、あったのですか、凄いです、またオークですかね、少し違う気もしますが……」
「オークとは違う魔物の魔石だ」
「こ、こ、こ、こ、こ、これは、恐ろしい魔力を感じます。これだけの魔力を帯びた魔石はめったにないし、見たことないです!」
「そうだろうな。かなりレアな魔物だった。鑑定してくれ」
「な、な、な、な、な、な、な、な、魔石はオークダークとオークジェネラル!」
「ロメーロ様、大変です、受付嬢だけでなく、周りも驚いてます!」
受付嬢は周りに聞こえる声で言った。
そこまで大声を出すか。
周囲の冒険者はそれまで俺たちに驚いて、急に俺の方に振り向いていた。
見ると、驚きの顔をしているのは、魔物の名前を聞いたからだ。
そりゃあ魔王軍の幹部クラスの名前が出たなら、冒険者は驚くだろう。
「だろうな。こうなるのは想定内だ」
まあオレの倒した魔物からしたら、これくらいの驚きは想定内だが、次の魔石はもっとレアな魔石だ。
持っていても価値はなくて、受付嬢に出して価値がある。
「ロメーロ! どこで、この魔石を、ていうか、ギルドは把握してません!」
「王都近くのダンジョンだ」
「近くに!」
想定よりも驚いていたから、俺も困った。
驚きで戸惑いをしている感じだ。
「ロメーロ様、騒ぎになってます」
「想定内だが、ちょっと騒ぎすぎだろう」
周囲はさらに驚きだして、震えている冒険者の姿もあった。
警戒しているのか、怖がっている。
「オークジェネラルは、ギルドで把握している限り、相当にヤバい魔物です、調べてみたところ、魔王軍の将軍クラスの魔物とあります。こんなオークジェネラルが近くにいたのは、ショックですし、どうやって倒したのですか!」
「オークジェンティルはレベルは776で、3匹いた。あとオークダークはレベルは308で5匹いた」
「ロメーロ様が一人で倒したのです」
「一人でええええええええ!」
アスカが説明すると受付嬢の対応に、俺の方が驚いてしまうくらいに、驚いていた。




