『鍛冶師からの依頼』
『鍛冶師からの依頼』
闘技場が完成して大満足した。
建築師のユンナには感謝を言った。
アダマンタイトを分けてもらったブルレスカにも同じく感謝した。
2人は宿から帰るとなった。
また俺に力を貸して欲しいし、俺も役に立てるなら協力はしたい。
オリオンの破滅の団にした時は、オリオン達からは下に見られていた。
上から目線で待遇は悪かった。
人間関係も良くなかったけど、今は仲間が多くできたのは嬉しい。
器用富豪スキルが俺と人とを繋いでいるようだ。
器用富豪スキルを使うと、仲間が増えていくのが不思議である。
以前は孤独感があった。
今は孤独感はない。
アスカもリアンもいる。
このままやっていける気がする。
その日は冒険者ギルドに行くとした。
ギルでに入ると、いつもと違う空気だった。
冒険者の多くが神妙な顔で話し合っている。
魔族でも出たか?
こんな空気ならそれもあり得るし、多大な犠牲者が出たとも考えていい。
「何か変だな。冒険者が緊張している」
「私も感じました。よほどの事があったと考えられます」
「冒険者の声を聞いてみましょう。原因が判明します」
冒険者の方に寄ってみたところ会話が聞こえた。
「おい、見たか、ギルドの隣に建物ができたの?」
「見たよ、昨日までは何もなかったのに、今日になって巨大な壁が出来た。中はどうなってんだよ。噂では魔王ブラーゼンが作ったともいわれているぜ」
「マジかよ、そしたら中に入ったら終わりだろう。あの建物の中は見えないが、あの大きさだから中には魔物がいるのではと噂されている。もう王都は終わりだ、早く王都から引っ越した方がいいぜ」
冒険者の会話だった。
俺の闘技場じゃないか!
たった一日もかからずに巨大な闘技場を建造してしまったので、何も知らない人は怯えているらしい。
「原因はあなたの闘技場でした。どうするのよ。大混乱してるわよ」
「困ったな。確かに作ったのは俺だからな。みんな驚いている」
「今からでも遅くはないです。正直に謝罪するのがいい。ロメーロが」
「リアンも一緒に謝罪するなら謝罪する」
俺だけ謝罪するのは嫌だ。
恥ずかしいし、何を言われるかわからない。
本来は悪い物ではくて、魔王ブラーゼンから守る為の闘技場。
それが冒険者の間では魔王ブラーゼンの作った要塞みたいになっているのは残念。
でもこの状況になってから説明はしずらいよな。




