『オネストの子孫』
『オネストの子孫』
「言ってないぞ。ワシは言ってない。まあ、いずれは言おうとも思っていたがな」
「俺のことを知ってたのかよ。神様だから知ってて当然なのか?」
「神様をバカにするな。子孫かどうかくらいは知っているぞ」
「バカにしてないけど、言ってくれたら良かったのに。別に聞いたところで、変わらないけど」
なんとガブレラ神も知っていた。
知っていて俺には伝えるのはしなかったらしい。
「レーヴァテインは、どうしてロメーロが俺の子孫だってわかったんだ。ガブレラ神は誰にも言ってなかったのに?」
「初めて会った時にロメーロからオネストに似た感覚を感じた。剣を振る癖や構え方、歩き方とかも似ている。オネストを思い出す。そして器用富豪スキルを使える。そこではっきりと確信した。ガブレラ神はロメーロがオネストの子孫だってわかっていたので、器用富豪スキルを与えたのだとな。器用貧乏スキルは一般的に多くいるスキル。どこにでもいる。ロメーロもそうだった、しかし子孫だと言うことで器用富豪スキルにしたのだなと思った」
レーヴァテインは最初に会った時に、俺とオネストが繋がっていると思っていたらしい。
鋭いというか鋭すぎるだろう。
隠し事とか絶対に無理な気がする。
「レーヴァテインは気づくか。勘が鋭いな。ワシはあえて言わなかったのは、ロメーロは言わなくてもオネストとケンカせずに協力すると思ったからだ」
「俺の血を引いている。器用貧乏スキルが器用富豪スキルに進化したのも、関係している。誰でも器用富豪スキルに進化できるわけではないのだ。俺と繋がっているロメーロは進化できたのだ」
「オネストも知っていたのか」
「もちろんさ」
オネストも知ってて黙っていたのか。
ご先祖ってことだが、こうやって会っているのは不思議な感じだ。
「凄いことになったわね。ロメーロがあの伝説のオネストの子孫だったとは。とんでもないスキルが使えるのが納得かな」
「さすがロメーロ様です。他の人とは違うと思ってました」
「違うことはないよ。普通の人だよ俺は」
「それではワシらは消えるぞ。修行はまたな」
「また修行をする時に現れる」
「また頼みます」
ガブレラ神とオネストは消えた。
まさか修行してもらった相手がご先祖様だったとは。
オネストは知ってて俺を強くしたいと思ったのなら、俺のことを想ってくれていると考えたい。
時間を使って俺を鍛えてくれるのは大変に感謝しかないな。




