『修行を終える』
『修行を終える』
「お疲れ様です、ロメーロ様。どうですか初めての修行は」
「大変なんてものじゃないよ。スキルは使わないでやるから、俺がいかにスキルに頼っているかと思った」
思い知らされた感じだな。
それは俺がなぜかレベル1から上がらない体質も影響している。
そうなるとレベルは上がらないので、基礎の能力をあげることになる。
剣の使い方などは、素人だと思えた。
「スキルが使えないと、ロメーロは苦しい。いつもスキルで魔族との戦いを乗り切ってきたもの。逆にいうとスキルが使えない分、本当の能力が鍛えられる」
「リアンが通りだ。俺はロメーロには成長して欲しい。だからスキルを禁止した。スキルなしで、よく戦ったよ。初回にしてはぎりぎり合格点だろう」
「あれで、ぎりぎりかよ」
オネスト先生は厳しい採点をくれた。
最高の評価はずっと先だろうな。
「レーヴァテインに頼りすぎだ。まだまだ剣が守ってくれている感覚が見える」
「レーヴァテインに頼るのは俺が弱いからか。当分は頼るようだな」
「心配するな、私が必ずロメーロを守って上げるから」
「助かる」
レーヴァテインが俺に声をかけてくれた。
剣のままだが、俺には十分に支えの言葉になるよ。
今日の戦いで、凄い自信はなくなったから、優しいことは素直にうれしかった。
レベル1の俺にはレーヴァテインが絶対に必要だとわかった。
対してオネストは強い冒険者なのは思った通り。
もう魔王と戦うのはできないとなったが、スキルなしでレーヴァテインがある俺には十分に強い。
基礎の能力が高いのだろう。
現役時代は最強の冒険者として、歴史に残る人物である。
俺とは違う。
「そんなに落ち込むことはない。ロメーロは今はまだオネストと差があった。でもなロメーロは素質は十分にある」
「素質があるのか俺は、あるようには思えないけど」
「あるよ。ロメーロは素質はある。私が言うよりもオネストの血が流れているのだから、強くなれるさ」
ちょっと待ってくれレーヴァテイン。
今、とんでもないことを言ったよな。
俺の耳に届いたのは、俺がオネストの血が流れているという話だ。
俺の聞き間違いだよな。
ガブレラ神からも聞いてないし。
「ええっ、血が流れているとは?」
「聞いているだろう、ロメーロはオネストの子孫だってことは」
「聞いてませんけど」
一度も聞いてません。
「ええ、聞いてない?? ガブレラ神さ、言ってなかったのか」




