『40話 勇者オリオン』
『40話 勇者オリオン』
「嘘だろ、Sランクスキルを常時発動するなんて、人間ができるのかよ。できたとしても、もう最上級の冒険者だぜ。Sランクである俺たちの上をいく存在だ。あり得ねえ話だが」
「クランクはタンク役でしょ、あなたにもロメーロは常時発動していたと思うの。たぶん私の予想では、仲間全員に魔物からの防御力を上昇させるスキル、防御力上昇スキルで、それも全員に。そして戦闘時にはその上昇を100倍とか200倍、敵によっては1000倍にも上昇させたの。これはなんとなくロメーロから聞いた話」
リアンはその時のことを話した。
「なに???? 1000倍に防御力を!」
「1000倍! あり得ねえ!」
「絶対にないわ、信じられない!」
「嘘だろ、1000倍にするスキルなら、確かにSランクスキルと言われても不思議はない、いやSランクどころじゃないか。もっと上のスキルだ。もう神にも近いスキルだ」
みんな驚がくした。
あまりのケタ外れな上昇にだ。
聞いたことない上昇率に。
1000倍強化するスキルは神にも近い存在と聞こえたのだった。
しかしリアンが嘘を言っているようには聞こえない。
「まさかロメーロがそんな凄いスキルを使うとは」
「防御力上昇は、ほんの一つで、他にも攻撃力上昇、速度上昇、魔法防御力上昇、魔法攻撃力上昇、即死魔法無効、全属性魔法耐性、全属性攻撃耐性、敵全体体力減少とか、私がロメーロカラ聞いたのはそのあたりで、他にもスキルはあるみたい。今話したスキルは全部Sランク級のスキルで、上昇は100倍から1000倍にしていたのよ」
信じない、信じない、そんなの信じないぞとオリオンはつぶやく。
あの役立たずのロメーロがSランクスキルが膨大に使えるなんて話は、聞きたくない。
それもだ、100倍、1000倍、あり得ない、あり得ない。
嘘をついているとしか考えられない。
常識をこえているし、人の域を超えていて、神に匹敵する。
「待てよリアン。今の話は信じない。スキル上昇で、100倍、200倍、1000倍なんて存在しない。上級のAランクスキルと言われても3倍とかだろ。あり得ない」
「そうだよ、オリオンの言うとおりだよ、あっても10倍の間違いだろ、リアンの間違いだよ」
ハニーがあまりのケタ外れな数字にリアンの間違いなと指摘したところ、
「間違い? 私が間違いなわけない。ロメーロがスキルを使っているの見たの。その時に1000倍て言ってた。これが私の撤退してという理由よ。つまりはオリオンもボーデンもハニーもクランクも私も、ロメーロの超絶なSランクいやSのもっと上の人の域を超えたランクのスキルの恩恵を受けていた。だから急激に強くなり、Sランクパーティーにまでなれたの。それを私は知っていたから、だからロメーロが追放すると言われた時に、私はこう言ったの。ロメーロにはこの破滅の団はふさわしくないて。そうよ、ロメーロのような人の域を超えたスキル使いには、みんなが弱すぎて、ふさわしくないて言う意味で言ったのよ。彼はこんな弱すぎるパーティーにいても何のメリットもないから」
「ああああああああああ、うるせー、なぜあいつが俺より強いて言うのか!」
「そうなります」
「嘘だ、嘘だ、ロメーロはFランク冒険者でしょ!」
「登録上はね。本当はSランク冒険者の上の冒険者です。神に近い存在です」
「ああああああああああ!」
リアンの説明にオリオンは叫び声を上げていた。
信じたくないからだった。




