『採掘する』
『採掘する』
「何かいい感じの土だな。今までにない土だなあ」
「ブルレスカ、どうだい鉱石は取れる?」
「あああああ、取れた。これは凄い鉱石です~~」
「どれ、ブルレスカ、見せてくれ、うんうん、凄いレアな鉱石だぞ! 間違いないレア物だ」
「凄いじゃんか」
「レア物の鉱石が掘れる、俺も掘ったぞ」
「俺もだ、ここは超穴場の採掘だった!」
どうやらブルレスカの予想は当たっていたらしく、とんでもないレアな鉱石が取れたらしい。
ブルレスカの仲間のドワーフも採掘に成功した声が続くので、良質であり数も多そうだな。
ドワーフとブルレスカの喜ぶ姿を見ていて俺も嬉しくなったし、来たかいがあったものだ。
成果があるというのは嬉しいものだからな。
「ロメーロの力があったからよ。ここが採掘場になればギルドからの評価もまた上がる」
「俺はブルレスカにスキルを付与しただけさ。壊したのはブルレスカさ」
「しかしなんであんな壊れない壁があったのでしょうね。通常ダンジョンにあった壁ではないですよ、まるで意図的に壁を作ったみたいに思うな」
「ロメーロもそう思う?」
「そうだな、壁と他のダンジョンの土や石とは材質が違った。確かに奇妙な壁だよな」
壁だけ異常なまでに強力な材質であり、どうしてかは俺にもわからないな。
採掘は順調に進む時だった。
アスカの様子が変になる。
「ヤバそうです。この場に魔物が接近してます」
「アスカわかるのか?」
「魔力を感じます。オーガだけではなかった。まだ魔物がいました。ほら、来てますよ!」
アスカが最初に気づいたのは魔物の魔力であった。
見てみたら、続々と魔物がやって来るではないか。
オーガ一匹だけではなかったらしいな。
俺も薄々は予想はしていたが、予想よりも多そうだな。
「みんな、採掘を中止して、魔物が来てます!」
「魔物だって! 危険だぞ。オーガだったら俺らは死ぬ、避難しろ」
「凄い数です。ロメーロ、魔物が接近してきてます。私も戦います」
「リアン、待ってくれ。ここは俺に考えがある。俺の考えを実行したいから戦うのほ待て」
「考えですって、この状況で待てって間に合うの?」
「大丈夫だ間に合わせる。それにはブルレスカの力が必要になる。必要というか、ブルレスカが頼りだな」
採掘場に魔物が大量に接近してきていたのは俺にもわかったけど、俺は戦うのを拒否するとした。
もちろん俺が戦うことも可能だし、倒せないことはないと思う。
しかしそれではダメだと俺は考えていた。




