『壁を叩く』
『壁を叩く』
ブルレスカには通常の採掘を強化するスキルで、採掘強化1000倍スキルを付与した。
こんなスキルもあったのかと俺にも驚きだったが、使うのは初めてである。
「採掘強化ですか、私は何も変化はありませんけど、これでいいのですかね」
「採掘してみてくれ」
「ロメーロを信じなさい」
「はい、叩いてみますよ、私の採掘する道具で、壊れろおおおお!」
ドガっ!
ブルレスカは採掘している道具で壁に向かって振り下ろした。
「あああああああああ!」
「うわあ、凄いです!」
「壊れたな、俺もびっくりした」
一撃だった。
たったの一撃の採掘で壁は見事に破壊されてしまい、道を塞ぐものはなくなっていて、ブルレスカもあっけにとらわれていた。
「壊れた、私の一撃で」
「ブルレスカ良かったわね。私でも壊せなかったのに。壁は壊れたから先に進めるわね」
「ロメーロのスキルはいつもながら常識はずれだわね。あり得ない壊れかたしたわ」
「道が開けました。私の予感では凄く鉱石の匂いがする。必ずレアな鉱石があると思う」
「ブルレスカ、先に進もうか。この先に行くのが目的だったのだからな」
「行きましょう」
壁は一撃で全開に壊されていて、先にも道がありそのまま進むとした。
ブルレスカが言うには、壁の先からレアな鉱石があるというのだから、ブルレスカの直感が当たっているのかは行けばわかるかな。
俺には鉱石の予感などないのでブルレスカの予感とやらに任せるわけで、外れてもブルレスカの外れとなる。
進んで行くと普通にダンジョン階層ではあったものの、嫌な予感もしてきて、なにやら不穏な空気っぽい感じだな。
なんだろうかこの感覚はと考えたら、魔力でしかなくて、歩くのに注意してみた。
するとアスカが歩くのを止めてきて、
「ブルレスカ、待って、魔物の魔力を感じます」
「魔物なら倒せばいい。今までの魔物だって倒せた」
「違うのよ、強力な魔力。それも私らが戦った魔物とは違う魔力です」
「俺も感じるな。かなり危険な魔力だよな。アスカとブルレスカは下がっていていいよ。俺が先に行くから」
「はいロメーロ様」
「お願いする」
二人は危険なので下がってもらい俺にはスキルをすふことで前に出て魔物の様子を見ることにした。
今のところ姿はないのに、この魔力であるからヤバい感じとしか言いようがないな。




