『勇者パーティー 聖剣ではなかった』
『勇者パーティー 聖剣ではなかった』
「オリオンが聖剣レーヴァテインの持ち主になったわ。凄いじゃない、マジで凄いよ!」
「ボーデン悪いな、レーヴァテインは俺を選んだ。俺こそが最強の勇者になるべき人物なのさ。最強の勇者オリオンになったぞおおおお、見てろロメーロ!!」
オリオンは安物の剣だと知らずにレーヴァテインだと思い勝ち誇った。
誰でも抜けて当然だったのに、オリオンは嬉しさを隠しきれないでいて、逆に賢者ボーデンはオリオンに先に抜かれてがっかりする。
安物の剣を握りしめてスノードラゴンに挨拶する。
「へへへ、俺が聖剣レーヴァテインを取った。あははははははははははは」
「グググググ」
オリオンは自慢するように笑うとスノードラゴンも笑った。
もちろん安物の剣だと知っているので、オリオンがこっけいで笑ったのだが、オリオンは気づくことはない。
そこからダンジョンを戻ると魔物が出現する。
「オリオン、魔物だぜ。せっかくだから聖剣レーヴァテインを使ってみろよ。どんだけ凄いのか俺にもみせろよ」
「クランク、言われなくても準備している。魔物など触っただけで切ってしまうだろうな、あはははははは」
オリオンは魔物と対面し、剣を構えると一気に振り下ろした。
軽く殺せると疑っていない振り下ろしだった。
「あああああああ!」
「お、お、お、折れたあああああああああ!」
「聖剣が折れたあああああ!」
最初の一撃でぽっきりと折れてしまったので、信じられない声が起きる。
実際に折れていて、魔物を倒すことすらできていないことから、驚きの声だった。
「なんで俺の聖剣聖剣レーヴァテインが折れちゃうんだよ」
「オリオンさあ、それ本物の聖剣聖剣レーヴァテインなの?」
「本物だろ、だって刺さっていたのハニーも見たろ」
「でも誰かが先に抜いていて、偽物を置いた可能性だってある」
「そうだよ、偽物を抜いたんだな。本物の聖剣聖剣レーヴァテインが魔物を切って折れるはずないからな」
「うううううううう、偽物だと。ちくしょうおおおお。せっかく俺が聖剣を手にしたと思ったのによ、誰だよちくしょうおおおお。逃げる~~」
「えええっ逃げるの~~~」
「おいおい、逃げるのかよ~~」
オリオンは悔しさを口にするも、もう折れた剣は使えないのであり、魔物は襲ってくるのを逃げるしかなかった。




