『聖剣は変化する』
『聖剣は変化する』
いきなりなにこれ?
どうなっているのか、意味がわからないが。
「女が現れたぞ」
「誰ですかあなた?」
「どこから来たの?」
「私は聖剣レーヴァテインですよ」
「聖剣?」
聖剣が変化したらしい。
俺の手の中には剣はない。
急に姿を人の姿に変化させたのだ。
変幻自在なのか。
「本当です、ロメーロが剣を持っていません」
「ああ、レーヴァテインは人の姿にもなれるし、剣にもなれるのさ。俺が現役時代もそうだったからな。なつかしいな。昔と姿は変わっていないな」
「私は変わりません」
「これは驚きです。最強の剣は人の姿にもなれるとは。これでロメーロ様は魔王ブラーゼンにも勝てる」
「いいや、それはまだ早いな。魔王ブラーゼンは俺が知っている魔王よりもはるかに強い。どうやらこの時代の魔王は過去においても最強に強いようだ。だからまだロメーロが勝てる保証はないと言っておく」
オネストははっきりと俺とレーヴァテインのコンビでも難しいと言う。
どんだけ魔王ブラーゼンは強いのか。
「私はブラーゼンは知らないが、過去の魔王よりも強いなら強敵ですね。オネストが言うなら間違いはない。ロメーロは覚悟がいる。まあ私がいるから大丈夫よ」
「信じるよ」
「ロメーロからは、オネストと同じ匂いがするわね」
「同じ匂いとは?」
何のことかな?
俺とオネストが同じ匂いとは。
「そこはロメーロは知らなくていい話だ」
「ああ、ガブレラ神、ちゃんと話せよ」
「ロメーロは知らないのね。また剣に戻るわ」
「あぅ、また剣になったわ」
「よろしくな、レーヴァテイン」
再びレーヴァテインは剣になって俺の手にある。
最強の剣を手にしたという実感はある。
言葉にするのは難しいけど、今まで持っていた剣とは明らかに違う感覚だ。
わき上がる何かが俺の中に入って来る感じ。
レーヴァテインを入手したので、このダンジョンには用はない。
「持っていた剣はどうするの、必要ないわよね」
「ああ、もう持ってかえる必要ないか。どうせ安く買った剣だ。初級の冒険者が使う武器だったのを今まで使っていたからな」
「よく今まで使っていたわね。ロメーロならもっといい武器を使えたのに。レーヴァテインが差してあった所に差しておけばいいよ」
「いいのかな、そんなことして」
「いいわよ、私が許します、差しておきなさい」
レーヴァテインが許してくれるので、代わりに持っていた安物の剣を差した。
けっこう使っていたので愛着はあるが、武器としての価値はほとんどない。
よく折れずにこれたなと思うくらいだ。
安物の剣はすっぽりとレーヴァテインの場所に刺さった。




