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『最下層の魔物』

『最下層の魔物』


「フロアマスターかい?」


「そうだとも、グググ。ここはダンジョンの最下層だ。この先に聖剣はある。絶対に触れさせはしない。行きたいなら俺を倒してだが、グググ」


「どうしても戦うしかないようだな」


「スノーホワイト!」


 会話中に先制攻撃してきた。

 口から雪の吹雪のように吐いて。

 魔法、物理防御はしておいたから、敵のスノーホワイトを防御した。

 強烈な雪の攻撃。

 防御してもその強さはわかる。

 ドラゴンだけはあるな。

 他の種族でもドラゴン種族は最強とも言われる。

 そんなのが聖剣へ行かせないように待っていた。

 これだけでも聖剣の価値はあると思えた。

 スノーホワイト攻撃を連発してきた。

 恐ろしく強烈。

 剣で防御しているが、攻撃に移れない。


「スノーホワイトを受けても立っていられるとは、お前は何者だ?」


「人族だよ。聖剣を取りたいだけだ。ドラゴンと戦いをしたくて来たのではない」


「通すわけにはいかない。聖剣は魔王をも倒すとされた剣。簡単には通させない」



 ドンドン!

 スノードラゴンは前足で俺を踏み潰すようにした。

 前足に踏まれたらヤバいので、距離を取った。

 さすがに重量級って感じだな。

 ドラゴンに踏まれて生きている人はいるわけないか。


「通させないなら俺も攻撃する」


 ズバ!

 剣を振り抜いて前足を切る。

 足の皮膚は堅いものの、流血はする。


「ううううう、なんて強い剣だ。まさか勇者か?」


「俺はロメーロ、勇者ではない。ただ魔王と戦う予定はある。それで必要になったんだ」


「勇者ではないのに魔王と戦うのか。前足を切った強さは認める。お前は強い。聖剣があれば魔王とも戦えるだろう。だが前足を切ったくらいでは通れないぞ!」


「俺を潰す気かよ」


 ドン!

 ドン!

 前足が俺を襲う。

 まるで地震が起きたみたいな揺れ。

 アスカとリアンは危険を感じて、後方に逃げる。

 スノードラゴンの圧が凄い。

 俺に聖剣を取らせないという圧だった。


「やるなロメーロ。これだけの攻撃でもケガがない。久しく見る強者だ。面白い、グハアアアアアアア」


「面白いか? 俺は何も面白くないけどな」


「通っていいぞ」


「えっ? いいのか」


 なぜか通っていいと言う。

 普通に考えて怪しいよな。

 魔物が俺を通すて、怪しいとしか思えないが。

 でも通すなら通りたいのは俺の気持ちだ。

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