表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

34/600

『37話 勇者オリオン』

『37話 勇者オリオン 視点』



 あまりいい状況ではないが、クランクを最前列から撤退させた。

 こんなことはパーティーが弱い時にはあったものの、強くなってからは一同もなかった非常事態だ。


「ハニー、ヒールでいいから頼むよ」


「わかった、今する」


 ハニーが撤退したクランクにヒールをするも減少した体力が大きいから苦しい。

 クランクがいない分は、オリオンとボーデンで補うしかない。

 すでにボーデンも前にいき、オリオンも魔法でいく。


「ファイアボール」


 普段ならこんな弱い魔法使いは使いたくないのだが、オリオンも魔法が使えなくなっていたから、ファイアボールくらいしかないのだ。


「だああああああああああああ!」


 ファイアボールで向かったものの、ハーピーを下に見ていた。

 ハーピーはファイアボール程度の魔法を難なく防御していて、逆に攻撃に転じて来たのだ。


 オリオンはハーピーの攻撃をくらい体力を減少させた。

 劇しい激痛が走った。

 こんなザコ魔物から激痛を受けるなんて、最悪だ。

 オリオンの勇者としてのプライドがガタ落ちしたのを感じた。


 あまりの痛さに、言葉が出ない。

 これもロメーロを追放したからなのか。


「オリオン!」


「ファイアボール!」


 少しでも攻撃しないとハーピーに押されていく。

 このままだとまたも負ける!

 前回はスケルトンに押されてしまい、ダンジョンから撤退という汚名となった。


 今は撤退できないし、撤退したら勇者の資格やSランクパーティーの地位も危ないからだ。


「オリオン、ファイアボールをもっと打て!」


「お前も魔法を!」


「ああ、ストーンブレスト!」


 ボーデンも魔法を使った。

 ファイアボールよりも下級の魔法なので、大丈夫だろうが、ハーピーにはキツい。


 ハーピーのランクよりも低い魔法では、倒せるわけなく、ボーデンにも攻撃が届いた。


「くがあああああああああああああああああ」


「ボーデン!」


 ボーデンはハーピーの猛攻を受けて、倒れていた。

 ボーデンのピンチにオリオンは動き出せない。

 悔しいがハーピー程度の魔物は、余裕だったはずが、大苦戦していた。


 大苦戦するのは、勇者パーティーになる前の頃だったらオリオンは理解できる。

 破滅の団を結成した頃の強さだったなら。

 そう思うも、オリオンは破滅の団が結成当時に近い強さにあるとは思いたくはない。

 それに僧侶のハニーも魔法は期待できないとなると、厳しい。


「だから言ったのに、みんな私のこと信じないからよ。ロメーロがいないパーティーには、この依頼は困難。撤退でしょ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ファイアボールみたいな弱い魔法は使いたくないって、、、オリオンはまだ自分が強いと思い込んでるのかな。実際は破滅の団を結成した頃から殆ど進化してないのに。いつまで悪あがきを続けるつもりなんだろ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ