『城を食っていた』
『城を食っていた』
「クククク、ロメーロか?」
「ロメーロだが」
「魔王様には、ロメーロは殺せと言われている。城を食ったら殺せと」
「やはり魔王の手先か。城は守る。もう食わせない」
「どうかな、俺は石を食うと強くなるんだぜ、クククク」
「うるさい魔族だこと。ウインド魔法で黙らせます」
「クククク、もう効かない。石を食べて強くなった」
魔族はアスカの魔法を受けても効かないようだった。
実際に食べるほどに強くなるらしい。
また食べだすので、より強くなっているのか。
石を食べるのをやめさせないと、面倒だな。
「私の魔法が効かない」
「アスカの魔法よりも、早く強くなっているのだわ」
「どうするのロメーロ様。どんどんと時間がたつほどに強くなりますよ」
「このままでは、城の石をを食べながら強くなる」
「困った魔族だな。食べるのが好きならもっと食べさせてやろうか。俺のスキルでな」
「クククク、もっと食べる」
器用富豪スキルで食欲1000倍上昇スキルがあった。
このスキルは何に使うかと思っていたが、この魔族になら使えそうだな。
「食欲1000倍上昇スキルを魔族に付与する」
「食事速度1000倍上昇スキルを魔族に付与する」
スキルを魔族に付与した。
器用富豪スキルは自分や仲間だけでなく、魔族にも付与は可能だった。
付与したのはわかっていないで、城の外壁を食べる。
しかも食欲と食べる速度も1000倍にしたので、恐ろしい勢いで食べだす。
「クククク、もっともっともっと食べてやる」
「ロメーロ、魔族に付与したら、凄い速度で食べてますよ、大丈夫なの?」
「食欲と食べる速度を1000倍にした」
「そんなことしたら、逆効果じゃないの?」
「さあ、どうかな。見ていたらわかるさ」
ユンナは俺の行動を疑っていたのは、魔族がもっと城の外壁を食べて強くなるのを心配してのこと。
もちろん俺もそこは承知していて付与したのだ。
魔族が城の外壁を食べていくのを1000倍にした。
俺は1000倍にしたことで、魔族は耐えられなくなると考えたのだ。
果たしてどうなるかな?
少しして魔族の様子がおかしくなった。
「クククク、もっと食べる。食べてやる。苦しい。苦しい。体が苦しいぞ。こんなには石を食べられないぞ。でも食べないといけない。体がもう要らないとしているのに、なぜか食べたくて仕方ないぞ。どうなっているのだあ俺の体は~~」




