『城を壊す魔物』
『城を壊す魔物』
「魔王がまだ城にいるのかな」
「それはないよ。魔王が居れば直ぐに魔力でわかる。魔王ではないけど、何かいるかもしれません」
「魔王が城に残したとか。城のどこかにいるなら探します。探さないと補修してもきりがないですもの」
「探すか」
城を補修していくのは中止して、原因を探すのを優先した。
城の周囲を歩くと異変があった。
ユンナが石を使って治した箇所があった。
しかし再び壊れて石が減っていたのがわかる。
あり得ない現象だな。
確かに石を積んでいき、治したのは俺も確認していた。
それなのにまた石が破壊されているのは不自然だった。
アスカも気づいたらしい。
「ユンナが補修した所なのに、また壊れてます、なぜ?」
「おかしいわね」
「誰かが壊したのだとしか思えません」
「ロバートだわ。あいつが私の邪魔するために壊したんだわ。許せないロバート!」
ユンナは壊したのはロバートと決めつけた。
ユンナに文句を言っているのはロバートなので、可能性かないわけではない。
しかしユンナが憎くても壊したりするかなとも思えるが。
「ロバートを追及します。、あそこにいますので」
ロバートを発見したので追及するユンナ。
「ねえ、私が補修した所を破壊したのへロバートでしょ?」
「ええっ俺が破壊? するわけねえだろ」
「でも、実際に私が石を使って治したのに、壊れてます」
「本当だな。でも俺ではないぜ。いくらユンナにムカついていても、破壊はないぜ」
「そうだよ、俺らは城を作りに来たんだ。破壊があるのは他の誰かだな、あれ見てみろよ、破壊されていくぜ!!」
「ああああああああ、城の石が壊れていきます!」
「なんだあれは魔族か?」
ロバートが見つけたのをみると、石が俺の前で壊れていくところだった。
しかし姿は見えないが、魔族に違いない。
「魔物族です! 姿は石と同じ色をしていますけど、いますよ。ウインド魔法!」
アスカが石の壁に向かって魔法を放った。
ギャアアアアアア!
「魔族だな。そんな所にいたのか」
「クククク、よくも俺を発見したな。俺は魔王様の命令で城の石を食べる。クククク、城は全部食べる」
「食べる? 変な魔族ね。初めて見たわ」
「俺もだ。石と同じ色をしているので気づかなかった」
魔族は石と同じ色をしていた。
よく見れば発見できた。
しかし石を食っていたとはな。
それで城の一部が壊れだしたのは、こいつが食っていたのが原因と判明した。




