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『36話 勇者オリオン』

『36話 勇者オリオン 視点』



「オリオンもボーデンもロメーロが居ないから、苦戦しているのをまだ気づかないの?」


 えっ、ロメーロだと?

 なぜロメーロなのだ?

 この場にいない、追放したロメーロが、魔法に関係していると言うのか?

 説明してみろ、リアン!

 オリオンはリアンに説明させる。


「早く説明しろ、リアン、ロメーロと俺の何が関係しているんだよ! クランクが死ぬだろ!」


「そうよ、リアン。ロメーロの肩を持つのはなぜなの。どうしちゃったのよ、あなたはロメーロに洗脳かなにかされたの?」


「違いますハニー。私はロメーロに洗脳なんてされていなくて、ハニーこそロメーロをわかっていないの」


「なんなのよ、ロメーロの何を知れっての。器用貧乏のFランクスキルは大量に使える役立たずでしかない。Sランクパーティーにはお荷物でしょ」


「違います違いますハニー。ロメーロはお荷物でなくてよ。オリオンもボーデンもみんなロメーロをわかっていないし、わかろうとしていないのが残念。彼はこの破滅の団をSランクに昇格させた。ロメーロはいつもパーティーが危険になる前にスキルをしていて、みんなを守っていたし、オリオンとボーデンの攻撃、魔法もロメーロがスキルで補助していた。ロメーロを追放していなくなった途端に、魔法やスキルが使えないのがその証拠」


 リアンはロメーロについて説明したが、オリオンの納得する内容じゃない。

 ロメーロがオリオン達を守っていて、Sランクにしていたと聞いて頷くわけないのだ。


「うわわわわわわわあああああああああああ!」


「ボーデン!」


「今度はボーデンがハーピーから攻撃されているわ!」


「まずいぞ、ハニーよ、なんとか回復魔法をしてくれ、直ぐに!!!」


「今するところ、クランク、回復魔法するよ、グレードヒール!」


「ぐぎああああああああああ!」


 クランクには回復魔法が効いてないため、またも体力を奪われる。


「全く回復してない、早くハニー!」


「だめだ、グレードヒールは使えなくなっている。そしたらヒールアップ!」


 慌ててハニーはヒールアップをする。

 グレードヒールよりもランクは落ちるが、中級クラスの魔法だから大丈夫だろうとハニーは思う。


「あああああああああ!」


「ハニー、何をやっている、クランクに回復魔法してくれ!」


「ええええ、ヒールアップも使えないよ、どうしよう、どうしよう、私もわけわからないよ」


「大丈夫だはハニー、落ち着け、まだ回復魔法はあるだろ」


「ありがとうオリオン、そうね落ち着くわ。最下級の回復魔法があったわ。普段は使わない魔法だから、忘れていたわ。ヒール!」


 初級の初級の回復魔法だった。

 回復術士が最初に覚える回復魔法であるため、使いやすく魔力の消費は少ないが回復量は少ない。


「これしか回復しないのかよ。無理だ、もうタンク役は厳しい。撤退するぞオリオン」


「……わかったクランクは撤退してくれ。俺とボーデンが前に出る」

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― 新着の感想 ―
[一言] オリオンは大人しく撤退すればいいものを、Sランクだった頃のプライドが邪魔してムキになって、クランクは戦闘不能。リアンは完全にパーティーに愛想をつかしてしまっているし、ハニーはヒールしか使えな…
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