『建築師ユンナ』
『建築師ユンナ』
彼女は建築師ユンナと言った。
建築師なら助かるな。
俺達にはない知識もあるし、いいパートナーになれそうな気がする。
「ロメーロ様にはちょうど良かったと思うわよ。ユンナと協力するのは賛成です」
「俺もそう思う。ユンナ、俺達と協力しよう。俺はロメーロで、彼女はアスカとリアン」
「よろしくアスカとリアン」
ユンナは直ぐに仕事の協力者となった。
冒険者ギルドには、建築師は普通は関係ないので来ることはないけど、今回は特別だった。
俺達だけでは何もできなかった可能性もあるから、ユンナと出会ったのは良かった。
冒険者ギルドを出て街の復旧工事に取り掛かる。
「まさかあのロメーロ達とは知りませんでした。魔王と戦ったロメーロとは」
「彼が有名なロメーロよ。今までも何度も人族を危機から救ってきたのが彼よ」
「驚きました。名前は知ってましたが、顔は知らなかったです」
俺がロメーロだと知らずに話しかけたと。
冒険者でないなら俺の顔を知らなくて当然か。
「ユンナは普段は建築の仕事をしていますの?」
「そうです、家や外壁を作ったりする」
「私のイメージでは男が多い気がするけど、女性もいるのね」
「ええ、男が多い世界です。しかし私は王都一の建築師になりたいと思っています」
「なれるといいね」
「でもね、甘い世界ではないのよ。建築は厳しい世界で私はいつも作業が遅いと言われているの」
「冒険者とは違う世界なのね。私は冒険者しか知らないけど、わかるわ。大神官しているし、男には負けないでやってきたもの」
「ええええ! あの大神官リアンでしたか。私でも知っていますよ!」
「リアンの方が有名かもね」
ユンナは女であるが、男には負けない強い気持ちがあった。
すでに街のなかでは壊れた家を建て直す作業が開始されていた。
「なんだよユンナじゃねえか。お前はいつも作業が遅いから仕事は無理だよ、あはははははは」
「うるさいわね、ロバート。今日は違うからね。私には一緒に仕事する仲間がいます」
「へ~仲間かよ。どうせろくな仲間じゃないだろう、俺達の邪魔はするなよ」
「ロバートこそ私の邪魔しないで」
ユンナはロバートとかいう男の奴らと言い争っていた。
服装からもユンナと同業の建築師っぽい。
仲が悪い感じがしたけど、仲間ではなさそうだ。
「誰だい?」




