『オネストも参戦』
『オネストも参戦』
歴代の冒険者でも最強の伝説の冒険者。
それがオネスト。
魔王を討伐した話は、誰でも知っているくらいに有名だ。
それが本当だとわかる戦いぶりだった。
見たことない戦闘の連続。
剣と剣がぶつかる。
見えない速度だった。
だが魔王も強い。
器用富豪スキルでステータスを減少させて、しかも俺とオネストを相手に戦っているのだ。
異常な強さなのは確かだった。
「ムムム、2人相手ではさすがに我も厳しいか。オネストが来るのは完全に予想外だった。計算してなかった。ゼノよ、ここはいったん撤退する」
「撤退しましょう魔王様」
「うう、逃げるか魔王?」
「オネストよ、きさまが強いのはわかった。今回は退散する。あはははははは」
「逃げたか」
魔王と副官ゼノが一緒に消えた。
そこに行ったかわからない。
王都の中にはいないだろう。
「ロメーロ、オネストもご苦労だった。魔王は撤退したようだ。空間移動魔法で消えたよ」
「ガブレラ神、済まぬ。俺も腕が鈍ったかもな」
「仕方ない。できれば一度しかないチャンスだったから魔王を討伐するのが良かったが、最悪の状況は脱した」
ガブレラ神も姿を出してオネストと会話する。
俺も良かったと思う。
オネストがいたから助かった部分がある。
「俺は助かった。今までの魔族であるイフリートスやグリフォンとはケタ違いの強さだった。俺だけでは力不足でした」
「ロメーロは良く戦ってくれている。神としては満足である」
神とオネストがいる所にアスカとリアンが来た。
「お~~~~いロメーロ様。大丈夫でしたか。城の高い所から下でロメーロ様と魔王が戦っているのは見えました。魔王は逃げて行きましたね。さすがロメーロ様です。しかし一緒にもう一人戦っている人がいましたけど、とても強かったなあ」
「凄かった、ロメーロにも匹敵する強さでしたが?」
「俺も見たぜ」
「賢者の目にも見えた。誰なのだ?」
オリオン達も城から降りてきて言った。
「ああ、見てたのか。それなら説明が楽だ。彼は古代の初代勇者オネストだよ」
説明してみた。
俺も説明して通じるかはわからないけど。
「オネストだと!」
「ええええ、あの伝説の勇者オネスト?!」
「だって昔の人だろ、生きているはずがない!」
さすがに信じないか。
生きていたら常識が狂うから、疑うのは当然だった。




