『35話 勇者オリオン』
『35話 勇者オリオン』
「私はバカにしていない。あの人の凄さを考えてなかったことを言ってるの」
「あの人とか知らないし、なぜ俺が下級魔法しか使えないとか言えるのだ、理由を言え」
ボーデンがリアンに文句を。
そこまで言われたら賢者の名誉きそんだ。
しかしリアンは慌てずに、冷静にしていて、
「ボーデンは悪くない、悪いのはロメーロを追い出したからよ」
とリアンは言った。
何をいってるのだ?
大神官だから許されるだろうが。
それでもオリオンがキレる。
ロメーロを追放したから、追放した人が悪いと聞こえる。
「説明しろ」
とオリオンは言った。
「説明している時間があるの? ハーピーが攻撃してきていているわよ」
と言い返したリアン。
話に夢中になったのは、オリオンの失態だった。
ハーピーはすでに攻撃を仕掛けてきていて、クランクが盾になっていたので助かる。
常に真面目なクランクらしい好判断だ。
「ハーピーを食い止めておいてくれ」
「ボーデンとオリオンが攻撃するまで俺が止めるよ、ハーピーを。ハーピー15匹!!」
ボーデンがダメならオリオンがやるしかない。
オリオンの上級魔法で行ってやろう。
もしリアンが言うのか本当なら、オリオンの上級魔法や上級スキルも使えないてなる。
「ぐぎああああああああああああああ!」
「大丈夫か、クランク!」
「オリオン、クランクがハーピーに囲まれてボコボコにされてる!」
「マジかよ! 俺が魔法をするまでクランク耐えてくれ!」
まずい、クランクがめちゃくちゃにやられているのだ。
今のクランクがやられる魔物じゃなかったはすだったのにだ。
とにかく急ぐしかない。
試したらわかる。
オリオンの上級魔法である、水魔法、大洪水を詠唱する。
大洪水は、周囲をすべて水の洪水を作り出し、敵を洪水で体力を奪う魔法だ。
この魔法をオリオンが出したなら、ほぼ相手は終わりだが、魔力消費は特大だ。
むやみには使えない。
ハーピーに使う魔法ではないのはわかっていたが、ためしてみないといけない場面だからな。
「オリオン!」
「オリオン頼む、うぎああああああああああああああああ!」
「待ってろクランク、大洪水!」
大洪水を詠唱した時に異変が起きたのがわかった。
なぜだ!
なぜ大洪水が発生しないのだ!
何も起こらない!
魔力は魔法を使うだけ余裕はあるのだ、使えないはずはない。
しかし現実に大洪水は起こらないのが理解できない。
まさか、まさかリアンが言っているのが本当なのか?
それなら中級下級魔法くらいなら使えるてことか?
オリオンは不安になった。
「何してるオリオン!」
「頼むオリオン。うぐあああああああああああああああああああ!」
クランクの叫び声だった。
早く打たねば!
中級魔法の火魔法を使う。
「ファイアボール!」
これは得意の魔法で、良く使う魔法だった。
だったというのは過去形であり、俺が強くなる前には良く使ったのだ。
しかしSランクになったオリオンには、無用の魔法となったのだ。
実際にハーピーにファイアボールが飛んだ。
なんとかハーピーの体力を少しは減らしたか。
ただオリオンの中では納得はしていない。
リアンには理由を聞かないと納得しないのだ。




