『316』
『316』
「樹木が伸びて俺たちは植物を取れなかった。ロメーロは俺に植物を渡すべきだろう、さあ出せよ」
クランクが俺に文句を言ってくる。
ようは、俺がスキルで樹木を繫殖させたので、俺たちが先に植物を取ったという論理だった。
俺が悪いてか。
全部横取りする気だな。
「ロメーロは出さなくていい、クランクには渡しちゃいけない」
「リアンは俺よりもロメーロがいいのかよ」
「当たり前です。クランクが良いわけないです。そこは私を早く理解して欲しいもでのです」
「リアンこそわかっていない。俺が最強の盾だったからこそ、勇者パーティーになれたんだぜ」
「と言うわけで、植物は渡せない。さあ、アスカ、ロメーロも帰りましょう。教皇が待っています」
「うううう」
クランクが悔しいがリアンは全然無視。
植物は俺たちが持って帰ることとなった。
残念だったなオリオン。
瞬間移動で王都に移動
一瞬での移動。
エニシャルはまだ慣れないのできょろきょろする。
教会にて教皇に届ける。
教皇は、
「素晴らしいリアン。さすがだな。助かった」
「これで聖職服は作れますね」
「作れる。この植物を原料に作る。エニシャルが作る」
「私に任せて、裁縫スキルがある。いい聖職服にするわ」
「そうね」
教皇は大変に感謝してくれたのでリアンも俺も良かった。
エニシャルには裁縫スキルがあるそうで、服が作れるとのこと。
そういえばオリオンは。
「勇者パーティーは一緒だったろう?」
「別行動になって、現在は王都に向かっている途中です。彼らは何もしませんでした」
「勇者パーティーよりも先に取るとは、リアンは成長したな。大神官にして正解だった。今後はもっと上の階位に昇格できるようにも話し合う」
「ありがとうございます教皇」
「良かったなリアン」
「ロメーロがいたからだけどね」
リアンは深々と頭を下げていた。
オリオンは完全に忘れられていた。
それからはエニシャルとともにリアンも誘われて風呂に行く。
王都にある風呂店だった。
エニシャルが良く行くお店で、俺とアスカも入浴した。
しかもその風呂店は混浴だった。
普通は男女別だがエニシャルが知っていて、俺が喜ぶと思い紹介してきた。
いやいや喜ぶとかよりも困るよな。
混浴状態でありアスカとリアンは混浴したことはあったがエニシャルは初めてだったので緊張した。
聖職者なのに、混浴してもいいのかと思う。
リアンもそこは聞いたことはないが、意外とガードは緩い。




