『313』
『313』
「勇者パーティーを討伐したら
俺は魔族の英雄は確実だ。これは大いなるチャンスだ。フフフフフフ、4人とも破滅の団は死んでもらおう。サンドブレイクだ」
「うううう、クランク防御しろ」
「もう無理だ。この体を見たらわかるだろ。オリオンが防御しろ」
「クランクもダメかよ。ろくなのがいねえ。俺が戦うしかないのか。ファイアボールで応戦する!」
サンドブレイクとファイアボールが激突した。
オリオンが必死に放った魔法だった。
だがしょせんはオリオンの魔法であり、今のトレント亜種の魔法にはかなわない。
圧倒的にファイアボールを上回る。
「わあああああああ」
「ぎゃあああああああああ」
「ぎぇええええええええ」
クランクとボーデンとオリオンら3人はサンドブレイクに負かされた。
酷い負け方だった。
生きているかさえ不明だ。
ハニーが緊急処置をする。
間に合うか知らないが、もう戦闘は不可能だな。
「ロメーロが戦うしかないわ。オリオンには最初から無理だったのはわかっていたのよね。どうして止めなかった?」
「リアンはわかってくれると思うけど、オリオンが自分でやるというから、俺は任せた。彼らに試練を与えたのだ。自分がトレントよりも強いと思い違いしているのに気づいて欲しかった」
「死んでるかもよ」
「死んでいい。あいつは嫌い」
アスカは嫌いだったのは、なんとなくは、わかっていた。
「フフフ、残ったのはロメーロだけだ。だがロメーロは強いのは切られているので、サハギドンとサンダードラゴンを討伐したのだろう。これはマズいな。王都を殲滅させて支配する計画に大きな障害になる」
「させない。俺が阻止する」
「魔族を甘くみるな。フフフ、ロメーロは甘いな」
「なぜ?」
俺が甘いらしい。
そうかな、まあ逃げるなら逃がしていたかも知れないからか。
でも今は討伐するのはためらわない。
トレント亜種の好きにできるのは、もう少ししかない。
次の俺の攻撃で死ぬ。
「あああああああああ、離せ!!」
「ハニー?」
「フフフフフフ、勇者パーティーの女は確保した。ロメーロはもう動けない。動けばこの女を殺す。いいな、そこから動くな」
「ハニーを捕らえたか。それで俺を支配したか」
「助けろロメーロ。私を助けなさい」
枝が伸びてハニーを捕まえると、俺を脅迫してきた。
ハニーで俺を脅せると思ったか。




