『311』
『311』
やはり弱っているらしく半減した魔法だった。
これならクランクは防御できるか。
俺にも結果はわからない。
魔法を真正面から受けるクランク。
はたして?
「ぎゃあああああああああ、痛いぞおおおお」
「どうしたのだ。トレントの攻撃程度なら受けられるはずだぞ」
「世界最強がトレントごときに、しかも半減した攻撃に負けてるぞ!」
「うううううううう、おかしいぞ。とんでもなく強いサンドブレイクだ。サンダードラゴンやサハギドンよりも強くないか」
「強いと思うのは気のせいだ。Bランク程度ならクランクなら防御できるさ。クランクは下がっていていい。賢者の魔法を食らわしてやる、これで戦いは終わりにする、ストーンブレスト」
賢者の魔法を使うようだ。
ボーデンは使える魔法は豊富だ。
特に攻撃魔法は多くある。
トレントに魔法を打ったのはストーンブレスト。
これって下級の魔法だよな。
通用するか、今のトレント亜種に?
「ストーンブレストだと、どうした?! これが、魔族を恐れていた大賢者の魔法なのかというと、まるで弱いが。フフフフフフフフフフフフ、この程度で大賢者かああ」
「なっ、トレントならばストーンブレストで通用するはずだ。笑っている余裕などないのになぜだ」
「でも笑っているわよ。あなたのストーンブレストが弱いのよ。もっと撃ちなさいよ」
「わかっている、ストーンブレストするから黙っていなさいハニー。ストーンブレスト!」
ハニーに文句を言われて、賢者らしくない言葉で返事をした。
何度やっても同じ結果になるとボーデンは何て言うかな。
受けて立つトレント。
「かわらないけど」
「嘘だろ! トレントに通じない魔法ではない。どうしたボーデン!」
「ダメだ効かない」
頭を抱える賢者。
「もっと上級魔法を使え」
「うううう、無理だ、上級魔法は最近は使えていない」
それは俺が魔力を上昇させれば使えるけどな。
以前はそうしていた。
「俺がやるしかないな。賢者がダメなら勇者の俺の出番だろう。上級水魔法、大洪水で、いやいや違う、中級火魔法ファイアボールだあああああ」
オリオンは攻撃魔法も使えるのでファイアボールをする。
けど最初は上級魔法を詠唱していたが、切り替えたのは使えないとわかったからだな。
オリオンは俺が魔力を上昇させていたのを理解したのかな。
するわけないか。




