『304 』
『304 』
植物繫殖で枯れた木は復活した。
そこでまた前進する。
しばらく歩いていくと、目の前に違う風景があった。
「到着しました。これが教皇が欲しかった植物です」
「うわああ、いっぱいある」
「聖職服を作るのに必要な植物。持って帰りましょう」
みんなで手伝って採取した。
採取したのは俺が持てばいい。
「採取したのは俺のスキルで持てる」
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『器用貧乏』初級アイテムボックス Fランク
↓
『器用富豪』神の袋 SSSランク
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神の袋なら余裕で大量に持てる。
採取したのは全部消えた。
「アイテムボックスまであるのですか」
「俺のは上級アイテムボックスの上だな。神の袋」
「神の?」
エニシャルは上級アイテムボックスより上と聞いて、またも困惑してしまう。
あまり話すとさらに困惑するので、話は止めた。
後は王都の教会に帰ればいい。
もう役目は終わりだ。
「王都に帰れる。結局はあれからオリオンには会わなかったな。今回は邪魔しないでくれたみたいね」
「うん、良かった。邪魔されても困るしな」
「オリオンも考えを直したかもね」
「待って、魔力を感じたけど?」
リアンは喜びとは逆に不穏な顔をする。
「どうした、魔力だって? まさか魔物か」
リアンの顔で俺は教皇が言っていたのを思い出す。
森には危険な魔物が出てきて、冒険者も行けなくなったと言っていた。
そのことは忘れていた。
罠のようなのがあったりして、頭から離れていたのだった。
魔力は感じた。
リアンが合っている。
魔物がいる。
それもかなり強力な魔物だな。
「魔物ですか。魔力は私も感じます、ロメーロ様!」
「みんな注意しろ、どこかに強力な魔物がいる」
地面が大きく揺れた。
地震か?
揺れるぞ。
森の地面は変だ。
通常の魔物とは大きく違うのを感じる。
冒険者が森に来なくなった魔物か。
「揺れてます!」
「あああ、樹木が、樹木が立ち上がった。樹木が魔物です!」
「出たな、木の魔物か?」
地面から根っこが足になった。
大木が歩きだしたと思ったら、大木の魔物だった。
「誰だ、俺を起こしやがったのは、気持ちよく寝ていたのによ、ふふふ、人族の冒険者か。食い殺してやる」
「ずいぶんとデカい木の魔物です。ロメーロ様」
「みんなは俺の後方に下がっているんだ。俺が一人で戦う。危険な魔物だ」
「はい」
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